kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘的’


『船舶産業はますます劣化していくのかも知れません』


   


     5月 16th, 2019  Posted 12:00 AM

この審査委員になって10年になります。
今回は多数の応募者がありました。
「省エネ」、「安全と信頼」、
「ユニバーサルデザイン」は、
船舶では当たり前のこととして、
さらに、そのデザインコンセプトについて
私はそれぞれに、「安心と信用」を重ねて質問をしました。
が、深掘りしてみると、的を射る答えはもらえず、
ユニバーサルデザインはこの日本に誰が持ち込んだかも質問してみました。
それは私でしたから、
ユニバーサルデザインハンドブックを監修しています。
ユニバーサルデザインという概念はマイケルカリルが提唱し、
ロナルドメイスが7原則にまとめ提言したものが知られています。
これらをデザインの教育プログラムとして持ち込むために
米国から連絡があったのは私でした。
当時私がいた名古屋は、世界デザイン都市宣言をし、
世界デザイン博覧会を開催していました。1989年のことです。
そしてGマークでもユニバーサルデザインの部門を創設し、
その奨励を制度化したのです。
さて、最終審査では、私が最も年少者で
経験値豊かな専門家達の議論が尽くされましたが
省エネなど謳われている数値指標ふくめ問題をあげて、
各専門家の知見として回答や意見を交換しました。
このままでは船舶産業は世界的にさらに後退していくこと、
その危惧を拭いきれません。
かってトップだった船舶産業が、劣化していくことは否めません。
次世代デザイナーは、「水圧力・浮力・スクリューなど」
デザイン対象に取り入れるべきです。
とは言えデザイン教育の現場にそれを学ぶ土壌がなく、
船舶デザインは、圧倒的に遅れています。

*ユニバールデザイン

*ハンドブック


目次を見る

『四句分別にある明解な「的」は曖昧性を強化する』


   


     11月 15th, 2016  Posted 12:00 AM

「やさしい」という日本語には観自在性があります。
それは「優しい」と「易しい」であり、
この峻別が曖昧にされていた時代がありました。
これは道元的な「四句分別」が必要と行き着いたことがありました。
観自在=思考闊達な想いと思いに、ある意味ではYesかNoかについて、
日本人にはどちらか明確にという世界的な風潮がのりかかりました。
しかし、私はこれを日本の仏教、特に禅宗的な道元思想の中で、
観自在に潜む曖昧性への積極化を「的」という表現に込めたことがありました。
その当時には、思想界においてもこの論理を中村雄二郎先生に
徹底的教えていただいたという幸運がありました。
安全だけども安心はできないことと安心だけど安全だとはいえないこと。
信頼はできるけど信用はできないことと信用はできるけど信頼はできないこと。
主観的だけど客観性があること、客観的だけど主観性が入り込むこと。
私は日本の、YesだけどNoでもあることは、NoではあるがYesということ。
おそらく、日本独自の哲学だから、白か黒かと迫られても、
グレーが存在すること。
こうしたことから、「やさしい」ということにおいては、
優美という決して目立ってはならない優しさある美と、
容易だから易しいだけで美も無視されていることにおいても、
日本人にはこの思考思潮、この重要性を見つけました。
自分の生涯での思考だと、未だに迷っていると言わざるをえません。
けれども「四句分別」で乾坤の生と死を見詰めていると判断しています。

* 『ロボットという玩具?・ロボットはおもちゃか?』
* 『わが哲学の恩師・中村雄二郎先生』
* 『デジタルな火と水を傍らに置く重大さ』
* 『思考の「考」は思うことを経験が判断する』
* 『コンセプトから逃走してほしい・・・』


目次を見る