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「連載結果の出版は『ことばの相対論』」


   


     3月 2nd, 2013  Posted 12:00 AM

本日、大阪大学会館にて「最終講義」をします。
講義内容は、すべて「ことば」になります。
本来の仕事は、
デザイナーゆえに「かたち」で問題解決をめざしてきました。
もはや無くなった「MacPower」誌には、
17年間連載をさせてもらっていました。
その連載を中学性時代に出逢って、
デザイナーという職能を選んだ人までいるのです。
連載は、当時は副編集長、
やがてアスキー社の常務にまでなったT氏の薦めでした。
2年半で、連載は単行本として書店に並ぶようになりました。
しかし、
連載はほとんどその当時のパソコン、それもApple社ばかりでした。
したがって、内容はエッセイ的なものにかかわらず、
アスキー社ゆえに、
書店では常にパソコン誌の傍らにひっそりと置かれました。
エッセイ群に入っていればそれなりに売れた自信がありますが、
パソコン誌群の片隅ではなかなか売れなかったのですが、
それでも4版にまでなったモノもあれば、
これは難解さを求めたから売れないと思っていたモノが
長期にわたって3版にまでなったりしました。
「かたち」にこだわる職能として、
「ことば」を求め続けていました。
表紙にもこだわり、
初期のモノは活版印刷・布貼り・銀箔文字型押しもあります。
モノの「かたち」にもこだわりました。
文章は、大学入試の現代国語の試験問題に選ばれた所もあり、
実際には大学入試問題になった文章もあり難しいと思った経験があります。
結局は、パソコンとデザインにこだわったことば=文章でした。
伝えたいことを徹底して日本語を調べたので日本語は中学時代以来、
日本語の語彙が増加した経験が残っています。
だから、この6冊は15年間にわたっての連載を単行本にできました。
少なからず、私のささやかな宝物になったのかもしれません。
時には、私のこの著作を抱いて、講演会でサインを求められます。
とても嬉しいことです。
できるかぎり毛筆で名前を書きます。
そして「恵存」とまとめます。
「恵存」ということばは、哲学者の中村雄二郎先生に教わりました。
「恵存」というのは、
「どうかいつまでも大事にしてほしい」という意味です。
「ことば」と「かたち」、
この相対論は常に身につけておきたいと思っています。


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