デザインは
こうした各分野の
技術進化に提言や提案、
そして
指示をあたえる
職能である。

「校之以計、而索其情」
これをくらぶるに
計をもってして、
その情をもとむ、
と指示したのは
古代東洋の
戦略論であった。

現代の
日々進化発展をとげる
技術への指示、
そして示唆に、
基層としてのデザインから
アフォードを仕掛ていくこと。

大衆の欲望、
都市の狂気、
経済の圧倒、
これらへの「指示」が
デザインとして
意図されるとき、
デザインが変態することは
まずありえない。

問題提起を投げかけながら
「指示としてのデザイン」を
提出すること。

提案としての
デザインぐらいなら、
経済はその意図を
握りつぶすことは
簡単だろう。

答申なるデザインに
どれほどの力があろうか。

したがって、
もしもこの心地よさを
破壊する問題提起を
デザインとして
「指示」するなら、
デザインの主体性は
大きな変貌を遂げるはずである。

都市の狂気の心地よさを
われわれは
トレンドと呼んでいる。

あるいは、
デザインとは問題整理の
主導的役割に立ちながら、
商品形態の創出効果を
都市の欲望に
吸着させることで
満足していないかどうか。