kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘利益獲得’


6月22日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     6月 22nd, 2021  Posted 12:00 AM

6月22日 大安(辛丑)

『元気としてのデザイン』

生産は
消費と対応するだけでなく、
情報の消費が、
循環や
再生産や
修繕や
修理という
もうひとつの図式を
私達の意識に
届かせられるかどうか、
利益獲得だけでない
生産の分配が
インテリジェンスリアリズム
だろう。

artificial heart:川崎和男展


目次を見る

『資本主義からの逃走』
    「スケッチという資本、その構造」


   


     7月 28th, 2010  Posted 12:00 AM

資本の分類
「資本」は、利益獲得の元手という意味では次の三つになるでしょう。
また、それらを拡大することで、
現代的自由経済での資本主義の構造を構築したきたのです。

   ■1・生産物の蓄積・道具や原材料から食料、住居
   ■2・土地や天然資源・天然に存在するすべてのもの
   ■3・個人の才能や能力、熟練された技術

知的資本
つまり生産や将来に対して、
その利得につながるであろう蓄積の全体を構造化しているものです。
以上のことから、私はデザイナー能力による「スケッチ」は資本だと考えます。
デザイナーの能力あるいは才能が生み出した具体的な「スケッチ」そのものは、
資本としてそこから蓄財されるものがあります。
スケッチに限らず、企画書や、図面などもそうした資本であると考えられます。
マルクス当時の資本主義批判には、こうした考え方はなく、
むしろ生産からの収奪や搾取が語られていたことです。
そして当時の状況からは、
<個人の才能や能力、熟練された技術>が資本という発想は無かったも同然です。
これは、現代の「知的財産権」としての制度である資本の構造化だと考えられます。
ただし、「スケッチ」がまさしく、
たとえば銀行がその価値が再生産されるという認識は皆無です。
もし、「スケッチ」が社会的な蓄財として保証されるのは、
デザイナーやアーティストの「アート的作品」という成果物としてです。
本来、「知的財産権」という資本の蓄財、
その社会制度が効用するとするなら、
これは資本主義を革新する大きな動機になることは間違いないでしょう。
私は、スケッチ=資本に「逃走の場」があるものと予知しています。


目次を見る

『資本主義からの逃走』
「Business Modelの義は善であり、美に包まれている」


   


     4月 6th, 2010  Posted 12:01 AM


「義務」あってこそ、人は「権利」があります。
「権利」が前面となっているのは現代日本の病です。
「義とは宜しきなり」(礼記)という原意性がありますが、
羊を犠牲として神の供え物とし、
その祭壇を善としていたという文脈に「美」がありました。
つまり、美は義と善を包み込んでいる言葉です。
さて、私は、Business Model が破綻しているのは、
社会還元という義務放棄が起こってしまっていることだと思っています。
収益構造の中での利益獲得は、
すべからく「独占」する権利を前面としている、
その結果がBusiness Model を破綻している最大の理由です。

義務なくして、
経営仮説と収益構造による企業の「社会的な存在」権利は失うのです。
そこで、私は下記のように、「経営仮説」に知財権を配置し、
その知財権は最も権利主張が弱いと言われがちな意匠権、
その意匠権こそ「美学性+倫理性」=美(義+善)なのです。
意匠権=美学性+倫理性
そして、これまでは「経営仮説」が「収益構造」という図式を
次のように変換するべきだと考えてきました。
それは知財権に意匠権=美学性+倫理性を「経営仮説」とするなら、
その背景としての基盤上には、「収益構造」を仮説化します。
その上に、はじめて「経営仮説」を載せる戦略です。
しかも、これまでは「経営仮説」に知財権の有無によって、
知財権は収益構造に直結していることが慣習であったと思います。
そして、利益獲得のサイクルを二重化できないか、と考えました。
それは、純利益のサイクルと経常利益のサイクルです。
それぞれのサイクル性が、収益構造を取り囲むことで、
企業体の体力と体質をガードできないだろうかということです。
このサイクルは、必ず義務である美学=美と倫理=善を駆動させます。
それは、明らかに、Business Modelではなくて、
designの理想主義を持ち込みます。
Designには、その本質において必ず「美学性+倫理性」は、
全体価値として付与されます。


おそらくこれまでの「経営仮説」において、
Designの価値感は、付加価値となってきたことは否めません。
よって、この経営仮説よりも、
収益価値の付加価値にDesignが置かれていたことが予想されます。
次段階においては、次の二つを論理図式化していくことで、
Business ModelをDesignで強化する手法が見えてくると考えています。


目次を見る