8月 5th, 2014 Posted 12:00 AM
Universal Designは、ロン・メイスンが七つの条件を与えていました。
私は大学人になって、「公・自・単・情・安・省・空」の暗記、
これが最も的確であり、さらにこれの反証をもってこそ、
マイケルカリルの提唱との一致を教え子たちに教えてきました。
したがって、ロン・メイスンの七つの定義だけでは不十分です。
まず、七つを「公・自・単・情・安・省・空」とすれば、
● 公平性・人にはすべからく公平でなければなりません。
● 自由性・使い勝手には常に自由度が要求されます。
● 単純性・より分かりやすさには単純明快であること。
● 情報性・情報性が常に求められます。
● 安全性・何事も安全でなければなりません。
● 省力性・出来るだけ体力を必要としないこと。
● 空間生・十分な空間的な余裕が必要です。
以上が、ユニバーサルデザインに基本条件だと言われていますが、
私は、本来の使い勝手には、以下の反証性を与えています。
○ 公平性・すべからく人間に公平性はありえません。
○ 自由性・不自由な使い勝手によって鍛錬が必要です。
○ 単純性・より複雑さへの理解度を準備することもあります。
○ 情報性・情報を遮断する勇気も時に必要です。
○ 安全性・安心性と安全性のバランスが最も大事。
○ 省力性・体力を錬磨するためには体力の酷使も必要。
○ 空間生・わが国はいかに空間を使わずともの省スペースが必要。
デザインの本質において最大に重要なことは一方的な条件ではなく、
「公・自・単・情・安・省・空」を暗記して、
この反証との対比を常に熟考した問題解決の均衡性=バランスこそ、
私はユニバーサルデザインを実現していく、
根本的なデザイナー態度だと提示してきました。
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8月 27th, 2011 Posted 12:41 AM
久しぶりに「ユニバーサルデザイン」の取材。
放送大学向けの教材になります。
最近ではすっかり、
「ユニバーサルデザイン・ブーム」は終わったようです。
しかし、あらためて短時間に紹介し直してみると、
ブームで終わってはならないことだと再確認します。
私には「ユニバーサルデザイン」は、
1989年・名古屋での「国際デザイン会議」から始まりました。
この年に、「スニーカーのような車椅子」を発表しました。
その時の車椅子を2台、交互に今も使っています。
さて名古屋の国際デザイン会議で、
「ユニバーサルデザイン」を日本で最初に発言したのは、
故マイケル・カリル氏=NASAでの宇宙空間設計デザイナーであり、
当時の米国工業デザイン界の理論的支柱者でした。
彼とは親友でしたから対談もしていますが、エイズで亡くなりました。
1995年に米国での「ユニバーサルデザイン教育システム」を
日本展開する中心に指名されました。
ちょうど翌年1996年新設学部、
名古屋市立大学・芸術工学部で大学人になり、
「ユニバーサルデザイン教育の日本の代表校」になりました。
明確な史実としては、
故ロン・メイス教授がWHOからの依頼を引き受けます。
1980年から10年間「国際障害者年」開催のための調査レポートでした。
彼は「バリアフリーをめざして」という論文で
「ユニバーサルデザイン」という言葉を使いました。
したがって、故ロン・メイスの七箇条が原則論となってしまいました。
しかし私は、故マイケル・カリルの思想を加味し、
「七原則+七論評価」を付加しました。
学生には「公・自・単・情・安・省・空」とお経暗記させました。
さらに、七原則+日本流を対峙させました。
次のようにです。
■ 「公」=公平性 ◇ 不公平さをどう解消するかも原則
■ 「自」=自由性 ◇ 不自由さ拘束性からの解放も原則
■ 「単」=単純性 ◇ 複雑さこそ克服するという原則
■ 「情」=情報の即理解 ◇ 情報非公開性もバランス感覚という原則
■ 「安」=安全性 ◇ 安全を確約するための危険体験という原則
■ 「省」=省体力性 ◇ 体力錬磨を忘れないという原則
■ 「空」=空間確保性 ◇ 日本では省スペースでも機能性という原則
結局、人間には「バリア」が必至だということです。
バリアフリーでなければならないことと、
敢えてバリアに取り囲まれること、
まさに「幸運・幸福」の「幸」という漢字の原意に重なるのです。
人間は、不平等で不自由であるからこそ、
そうしたバリアから解放させられる個々人の知恵をめぐらすこと、
それが「普遍性・宇宙性=ユニバーサル性」を
誘引させることができるという大原則論。
今私たちは「放射能」というとてつもない恐怖と現実で拘束されています。
私は、メタ・ユニバーサルデザイン性を再度、
この国難復活デザイン原則へまとめ直したいと考えています。
建築誌「SD」は「Human Centered Design」で終刊しました。
放送大学向け取材で、あの「ユニバーサルデザイン」も、
この国難解決の大きな手がかりになるものと判断可能です。
こうした再思考チャンスをいただいた
東工大名誉教授・M.S先生に感謝します。
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