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『サイドビューと製品カラー決定の造形言語』


   


     8月 31st, 2017  Posted 12:00 AM

ブラウン管からコンピュータのモニター(ディスプレイ)の表示素子、
それが液晶・プラズマ・有機ELへと変化してきました。
その中心での自分デザインは、一時はプラズマにも関与しましたが、
様々な欠点と欠陥からプラズマは全否定し、それは私非難も受けました。
しかし、プラズマは結局TVでも一切無くなりました。
今ようやく有機ELが大きな進化をし始めています。
私は相当の多様さあるモニターをデザインしてきました。
特にEIZOブランドでは、製品カラーには、
金沢=加賀の歴史文化での和的色彩を重要視してきました。
それが、加賀群青=ラピスラズリであり、加賀弁柄=ベンガラでした。
加賀群青は、前田藩時代、日本に入ってきた群青色はそれこそ、
おもてなしの貴賓部屋・成巽閣(せいそんかく)の壁色と弁柄を使いました。
コレは国内の市場性では危険色でした。
しかし、私は造形言語=デザイン意図が明快であればという信念でした。
新しいデザインとして成功しました。
特に、FORIS.HDは画面16:9、パソコンながらTVも、
それだけにたった400cc空間にスピーカーユニットは最低周波数80dbをと、
PinP(Picture in Picture)を実現。
自分デザインでは、ともかく、サイドビューでの造形言語には、
一つ自分なりの言素=形素づくりをしてきました。
そこに、ベンガラ=弁柄というこれは日常性や、
人類が最初に見つけ使用してきた朱色を彩色したのです。
正直最近の製品カラーはなんとなく流行色=経営色のそのまま応用が多く、
自分デザインでは絶対に選ばないほど乱雑になっています。
私はあらためて次世代デザイナーには、
色彩学ではなくて、色彩論、
つまり、学はすでに知っておかなければならないような事項ですが、
論ならば、学という知識をベースにこの色であってほしい見識と悟識を
反映させるということです。
加賀群青と加賀弁柄の色彩論としての製品カラーとサイドビュー、
そのデザインをFORIS.HDとして果たしました。

* 「最小リモコン=徹底的な黄金比の適用と実装設計」
* 「プラズマTV商品問題に例示される未然技術」
* 「大好きな画家・これが私のまなざし」
* 「カラーの決定のために・HSB色空間」
* 『200年ぶりの「青色」発見は大興味がある』


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「『まさか』=想定外をめざす詳細造形」


   


     2月 2nd, 2012  Posted 12:00 AM

詳細なデザイン造形をなんとしてもめざすこと。
私の造形の姿勢でありたいと考えてきました。
それは、ありえないことを徹底して考え抜くことです。
それこそ、言わば「想定外」。
「まさかそんなことはありえない」という表現です。
単純なことですが、そこまでは考えほしくない、
クライアントは求めていないことが多かったと思います。
それでも考えつかないことにまで、
自分を追い込むことは我が儘ですが生き方ゆえやむをえません。
「我」が、「まま」=そのままにして果てるまでです。
これは「ホイヘンス」と名辞した壁掛け時計にすぎません。
「ホイヘンス」は物理学者で「波動説」を唱えた人です。
しかし、ニュートンの存在が目立ってしまいました。
そして「振り子時計」の発明者であることも忘れられています。
だから私にはどこか親しみを感じました。
だから、「壁掛け時計」なら彼の名前を商品名にしようと考えていました。
そこで、「まさか」というのをたかだか壁掛け時計に仕込むには、
壁掛けでもあるけれど、置き時計にもなる、
そんな造形を自分に求めたのです。
それを私は「まさか」という大層なコトにまで風呂敷を広げたのです。
その造形はサイドビュー=側面表現に表すことができました。
無論、ユーザーにとってみれば、
これが「まさか」の表現だったなんてどうでもいいことなのでしょう。
そして、側面を見て選んでもらうこともないことは重々承知しています。
さらに、背面にはビス留めはまったく見えません。
私は「簡潔さ」という造形表現のポイントには、
ここまで自分を追い込んでいく姿勢が必要だと思っています。
そうして「振り子時計」である正面も
振り子とは思わせない動きを設計しました。
それが「ホイヘンス」への私なりの敬愛だと自分に言い聞かせてきました。
すでにこの商品はもう販売されていませんが、
私が「想定外」=「まさか」ということだと瞬時思い、
自分のデザインワークで想定外をめざしたのは、
この「ホイヘンス」だったと思い出したのです。
だから、きっとこれからも私が想定外をも
デザインに込める原点には
「ホイヘンス」という人物に通じていると納得しています。
彼の「波動説」は当時は、ニュートンの影に隠れてしまいましたが、
今再び、「粒子説」と「波動説」は想定内になっています。

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