が、
インダストリアリズムの
終焉を導いた経済
あるいは経済学での
一般解から
デザインは
解放されなければならない
と考える。

つまり、
インダストリアリズムを
基盤としたデザインは、
産業の活性化と
大衆の欲望との合致点を
生活向上に
目標化した制度であった。

いや、
デザインの
本質から判断すれば、
老化し常套化した
職能根性にすぎない。

グランドデザインや
文化技術などの
時代的用語の登場も、
この制度への
保守的態度に
ほかならない。

グッドデザイン制度や
デザイン
コンペティションは
その典型であった。

時流的な大衆的評価に
デザインの意味の
普遍化を訴求することが、
運動としての
デザインであったとも
断言できる。

いわば、
資本主義経済体制下の
デザインは、
この制度に
安住してきたのではないか。

その制度は、
デザインとは何かを
概念化させるための、
概説的印象や
記号的納得の語彙で
定義されるにすぎない。

産業、経済、
あるいは企業と
デザインの関係を、
デザインへの投資効果
という視座で詰問すれば、
その一般解は、
利益回収という評価だけで
制度化される。

元気としてのデザインは、
デザイナーの元気から
生み出されるはずだ。