6月 26th, 2015 Posted 12:00 AM
すでに自分が使っているペンが登場すると、
私は正直、個人的に迷いが出ます。
このペンは、ピニンファリーナといえば、
カーデザインでは、歴とした有名スタジオです。
したがって、このペンの登場を知るとすぐに私は
海外の通販で入手して使っていましたから、
このブログでも取り上げたことがあると思います。
審査員として、さらに審査委員長としては、
自分が使っているという主観性は、デザイン審査の経験からも、
私にはすぐに客観的な見方が生まれます。
一つは、審査員たちの評価をじっくりと聞くことで、
自分の主観性は抹消されます。
もう一つは審査委員の審査基準あるいは知識とセンスを再確認できます。
そして私がびっくりしたのはこの商品化には、
明らかに日本のモノづくりが基盤にあったことでした。
このペンは、紙質を相当に選びますが、
描くという行為は、欠くこと=紙質の表面を削り取って、
描くことは画くこと、書くことにつながっています。
しかも、ペン立てのスタイルでありながら、
ペン立て部位は、ペン入れになっている機能化が仕組まれています。
このペンは、いわゆる石筆=スタイラスと同様に、
欧州で発見された金属ペンだということです。
この商品が発表されたときには、
すでに金属そのもののペンはいくつか登場しましたが、
これが最高に熟考されていたスタイリングデザインが完成していました。
まさに今年度、デザイン=スタイリングという装飾性を現代ゆえに、
ペン立てとペンケースを解答としてしまった商品だと断言できるでしょう。
これが優秀賞になっていることで、
デザインはひとまず装飾的な機能性だけではなくて、
金属ペンとしての問題解決になっていることを確認してください。
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7月 8th, 2014 Posted 12:00 AM
私はモニターデザインには相当に関わってきました。
そして、今なお、このモニターを上回るデザインは皆無だと自負。
理由は二つあります。
市場性、マーケティング(全く私は不信)的なことよりも、
● エンジニアが現状の技術でモニター性能を最高の技術設計なら、
そのデザインも製品開発原価など無視して開発をねらいました。
結果、超高額なモニターが商品化しましたが、
それは生産台数を売り切り、結果、このノウハウの一般化こそ、
次々の製品開発テーマとなり、商品化シリーズの根本が出来ました。
● もう一つは、熱処理の大問題です。
どうしても電子機器では発熱冷却性をスタイリングデザインに
生かしていかなければいけません、単なる放熱口だけではなくて、
前面にはアルミ素材を押し出し引き抜き製造して、放熱口突起。
この突起周囲には放熱口があり、突起形状は表面積拡大で、
空気接触面を拡大しています。
無論、製造原価的には、当時の常識を打ち破っていますが、
技術性能上ではこれ以上の問題解決=デザインはありませんでした。
このモニターは今なお私のメインモニターであり、
その後新発売のどのモニターもこれ以上の性能表現デザインは皆無。
私のデザインには、デザイン意図する造形言語には、
必ず性能決定に直結する技術仕様をほとんど完璧を求めます。
結果、形態言語としてのデザイン内容は効能的な完全さに近接です。
つまり、デザインは問題解決を断言する私の私なり的確な
造形言語と形態言語をスタイリングデザインに統合解答しています。
私はプロダクトデザインは、ステップ・バイ・ステップであるべきと
考えてきていますが、残念なことながら、このモニターデザインは
大きなデザイン事例にしてきましたが、
この商品デザインは未だに追い越されていません。
結局は、最終判断をする経営者が絶滅したのでしょう。
『技術革新以前の問題解決=デザインがある!』
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6月 12th, 2010 Posted 2:01 AM
メガネデザイン25周年
メガネフレームのデザインに関わってきて、25年になります。
今年は、クライアントであるメーカーが、
「25周年記念」として復刻番や新作を発表してもらってます。
私のメガネフレームは、大勢の愛好者が支援していただいていて幸運です。
そして、私のブランドのみに、
大勝負をかけていただいている専門ショップもあります。
もうすっかりと、メガネに関わるほとんどの知識は身についていると自負しています。
しかし、メガネフレームは
「明らかにファッションであり、さらに、流行現象の中で翻弄される商品」なのです。
必需品だが
やがて、地球上の人口が70億人になります。
おそらく、人口統計学的な予測よりも早く、70億人に達するでしょう。
引き替え、わが国の人口は「少子化」とともに激減しています。
ともかく、35億人=メガネが不要です。
そして35億人=メガネは必需品です。
現在の調査では、12億人、メガネを所有していますが、
23億人はメガネを持っていません。
この23億人向けのメガネは根本からの「革新」をめざして開発を進めています。
アスリート用サングラス
ところで、メガネフレームには、「スポーツ向け」というのがあります。
プロのアスリートたちは決まって、
このスタイリングデザインをかけています。
しかし、このメガネフレームほど、
どんな人間、人種を限ってみても、
「似合っている」と思ったシーンはまったくありません。
もし、「まあまあ」というのは、スピードスケートや、
サンバイザーなどで、ヘアースタイルというか頭髪を隠してしまえば、
それなりのスタイルに「見える」だけです。
翻って言えば、スポーツ、アスリート、ゴルフなどにこのスタイリングを、
私に言わせれば強引に「商品展開」した企業のオリジナリティは評価できます。
25年の経験から、私は次の三つの方向をともかく道筋をつけたいと考えています。
● メガネを必要とする人へのまったく「革新的メガネ」の開発
● 廉価なメガネへの「生体工学と人間工学」をデザインで導入
● あの醜いアスリートメガネの「スタイリング一新」
果たして、ここまでやり切れるかと考えるとき、
私なりの経験と予測、
さらに造形シェイプ、
その創出方法は教育しておきたいということです。
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Posted in 031「幻想、6月の白日夢より」, 資本主義から逃走せよ!
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