もはや、
これまでのイデオロギーを
遡求し検証することはない。
我々にはそんな余裕すら
残されていないはずだ。

したがって、
イデオロギーの
死にいたる病を
対症療法的な手法で
慰労したところで
何の解決にも
ならないことを
自覚することが
最も重大であることを
知るべきだろう。

それは
イデオロギーの
基盤的疲労というよりは、
対決概念に
対象化していた
理想主義の
老衰的絶望であり、
イデオロギーからの
解放が
始まるわけではない。

結果、
イデオロギーに
呪縛された時代が
終末を
むかえようとしている。

イデオロギーで
論理化された理想は
幻想でしかなく、
対決概念を
止揚しようする
具体的行動は
幻覚でしかなかった。

決して、
弁証的に止揚された
イデオロギーの
進化も
進歩も
遂げることはなかった。
強化する。

純粋理性批判で
主張された
「観念に支えられない
概念化は、
空虚な理性」という
ことばの重力を、
今こそデザイナーは
受け止めなければ
ならないだろう。

あくまでも理想主義に
裏打ちされたデザインに
デザイナーの信念を
持続させるには、
観念としてのデザインこそ、
時代の激動、
未来へのカオス不安、
蔓延する
カタストロフィ状況との
闘争のために、
デザイナーの個性的
かつ
主観的判断力を基軸に、
チームワーク的
デザイン実現
プロセスにさえ、
観念としての
デザインのあり方を
緊急に
集中論議しなければ
ならないと考える。

この手法を歴史に収納し、
革新をめざすならば、
観念的手法による
デザインを
新生させなければ
ならない。

もはや
概念化手法は
時代的判断力の欠如を
意味している。