2月 17th, 2011 Posted 12:00 AM
企業理念という組織想念
理想は現実と対語になっています。
ということは、理想は過去と未来の狭間にあるものです。
すなわち、理想という想念が重合してやっと理念なのでしょう。
企業は、帰属する人たちがつま先立って、
未来を人間が背負っている業を見つめる組織体だと考えることができます。
理想は未来への理ある想像力であり、
想念は、対象に想いを念じる力といっていいでしょう。
私は、これまで接してきた企業には、
次の五つに分類できる企業理念があると分類しました。
■ 理由信念
企業をどうして起業し、何を果たしていこうと念じているかです。
それは、商売・経営の資材を社会に役立てる理由への確信です。
■ 道理概念
そのために、そこで働くはたらきがいの概略を記述し確認します。
そこには、社会への道理が道徳観に見事でなければなりません。
■ 条理入念
つまり、教条とも思える約束事への信仰を約束することです。
企業に帰属する人たちの信念を入魂していることを示します。
■ 理論観念
あくまでも、経営での投資効果として獲得した利益、
その富の配分は社会還元することを誓約する抽象的な思考結果を記述します。
■ 理解通念
その組織集合体の存在には、同一性・アイデンティフィケーションを共有します。
簡潔に言い直せば、
「かけがいのない大切さ」を共有するという統一感を同一性と定義していいのでしょう。
そして通念化するというのは、社会に支持されて理解を集めることになるわけです。
同一性=「かけがいのない大切さ」
企業での「働きがい」が「いきがい」=「かけがいのない大切さ」になるということは、
企業理念では極めて常套的な記述であって、
資本主義という理念・理想の制度になっているということです。
Tags: アイデンティフィケーション, はたらきがいの概略, 信仰の約束, 信念, 同一性, 対語, 帰属する人たちがつま先立つ, 常套記述, 想いを念じる力, 想念, 教条, 条理入念, 現実, 理念・理想の制度, 理想, 理由信念, 理解通念, 理論観念, 社会に役立てる理由, 約束事, 背負っている業, 過去と未来の狭間, 道徳観, 道理概念
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2月 16th, 2011 Posted 12:00 AM
五つの理念分類
企業は組織体系ゆえに方針が必要。
方針とは企業力を示した「理念」です。
しかも、企業は経営=儲けてその分配構造体。
どうやって「儲けて」、組織体系の運営と維持管理、
これらの構成・構造・体系をことばで記述することが「企業理念」と言われています。
私は40年デザイナーという立場で、様々な企業の生態と接触し関係し、観察評価をしてきました。
デザイン職能とのこうした関連事項での相互作用性は、実体験の経験値になっています。
結果、すべての企業体系の方針は五つに分類ができそうです。
詳細にまで企業理念を整理すれば、見事な曼荼羅になっていますが、この五つをあげておきます。
■ 理由信念
■ 道理概念
■ 条理入念
■ 理論観念
■ 理解通念
私がデザイナーとして、クライアントであった様々な企業理念の表現を観察してきました。
その企業形容はすべからくこの五つに集約されたディスクールだと思います。
だから、ディスクールという理念が資本主義というイデオロギーで守護されてきたことも事実です。
ところが、企業という人間組織の集合体での体系は、大きな変動をむかえてきました。
この五つが社会と時代との即応性が崩壊したとき、
その企業自身も消滅していきます。
企業が起業し、成長し、発展し、時に崩壊消滅も随分とみてきました。
やがて金剛界曼荼羅へ
まさしく、企業理念は、企業存在・企業C.I.と照合すれば、
「アイデンティフィケーション」を心理学的に整理したE.H.エリクソンの8段階説に適合しています。
さらに、私は人間界を区分した金剛界曼荼羅に重ねて
企業理念の詳細を確認することができるとも考えています。
結局は、日本文化の進展と深度はまさしく企業理念と同様な構造を持っています。
Tags: 8段階説, E.H.エリクソン, アイデンティフィケーション, クライアント, ディスクール, デザイン職能, 企業, 企業C.I., 企業の生態, 企業力, 企業存在, 企業理念の詳細, 企業自身も消滅, 儲け, 即応性が崩壊, 実体験の経験値, 崩壊消滅, 成長, 方針, 曼荼羅, 条理入念, 構成・構造・体系, 理念, 理由信念, 理解通念, 理論観念, 相互作用性, 組織体系, 組織体系の運営と維持管理, 観察評価, 資本主義というイデオロギーで守護, 起業, 道理概念, 金剛界曼荼羅
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2月 15th, 2011 Posted 12:00 AM
何が「企業」か。
営為組織をなぜ「企業」というのでしょうか。
「企」とは、つま先立ちしている形象。
「業」はぎざぎざやでこぼこであり、困難さや苦労を象形しています。
合わせて、苦労を超えて善の奉仕仕事という意味にまで昇華されています。
まさに人の「業」という報いを生じる基となる善悪までの意味(仏教用語)があります。
ブランドブーム、ブランドデザインブームはまったく軽薄で安易な流行でした。
ただ「儲けたい」という経営手法でしかありませんでした。
「信用される者」=儲のはずが、つま先だって、転んだ企業が増えました。
しかも、不景気脱出の手法というノウハウ本やブランドプランナーなどまで出現しました。
私は、企業はその成り立ちからのC.I.から企業ブランドが成立するという論理と経験値があります。
たとえば、企業名の成り立ちには、次のような分類が可能です。
● 創立者や創業地場からの名辞
● 企業内容や企業理念からの統語的や略語的な伝達名辞
● 商品名をそのまま企業名への名辞
私の名前はKAWASAKIゆえに、海外での日本製を表現する認知度があります。
私のメガネが話題になったとき、川崎重工の製品と報道されたことまであるほどです。
ある著名な創立者が、最も失敗したのは「自分の名前を企業名」にしたという話もあります。
しかし、日本では当然ながら創立者名の大企業が多く、
それが日本製であることを明示しているのは蓄積されてきたブランド価値と言ってもいいでしょう。
ただし、信用・信頼を失った場合には企業存続まで危機になります。
私の経験値では、ずばり商品名が企業名というのが「ブランド認知」は確実度を持っています。
したがって、ブランドブームを煽動する評論家はこのことを主張していますが根本は違っています。
社名を上記のように三つに分類しても、
すべての共通項は、「企業」ということばに集約されています。
理念あっての企業
それはなぜつま立ちして過去・現実・未来まで見ようとする組織だろうかということがあります。
そして、人間の営為の根本にある「業」=欲望の善悪判断です。
この二つを「理念」として整理し共有する組織こそ企業であり、
その識別が「ブランド」に他なりません。
そして、その識別は「何をその企業が社会に対して果敢」であるのだろうか、その評判です。
Tags: ブランドデザインブーム, ブランドブーム, ブランド価値, ブランド認知, 企業, 企業内容や企業理念からの統治語的な伝達名辞, 企業名, 信用される者, 儲, 儲けたい, 創立者や創業地場からの名辞, 商品名, 商品名をそのまま企業名への名辞, 業, 欲望の善悪判断, 組織, 自分の名前を企業名
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2月 14th, 2011 Posted 12:00 AM
セリフとサンセリフその書体伝統
伝統は「裏切る」という内在的意味があります。
だから、伝統と革新がせめぎ合うことが、
本来、生きている証を立証することだと考えます。
しかし、伝統の継承やあるいは伝統の堅持を決してはずせないことがあります。
私は、「書体」という文字形式には「伝統」の核心があってこそ、
美しさが宿ってきたという判断があります。
日本語書体でいうと、いわゆる明朝体とゴジック体があります。
これは、欧文書体でいうと、セリフ体とサンセリフ体に匹敵しています。
いわゆるセリフとよばれるのは、
タイポグラフィ=文字形体の端々に髭のような飾りがある書体です。
これは石などに文字を彫り込んだときに、
塵やゴミが詰まらないための工夫だったともいわれています。
日本語の明朝体などにも、欧文文字のようにセリフがあります。
書体の伝統にある法則性
徹底的に学んだのは、セリフ体では「キャスロン」や「タイムズ」で、
サンセリフとしては「ボドニー」を手描きで直線と曲線をトレーニングしました。
その結果、ブラッシュやカリグラフィが大好きです。
これが日本の書道にも通じていると思っています。
そして「マイクログラマ」はオーディオ表示では最も視認性が確実だった書体でした。
その後「ヘルベチカ」や「ユニバース」が国際的に評価が高い書体でした。
したがって、「企業ロゴタイプ」や「商品ブランド」の新書体デザインでは、
こうした書体が持つ法則性を読み取る必要があると教えられてきました。
それは、外国人がTシャツに「漢字」をプリントしたときに、
何か「違和感」を感じるあのような感覚では決して「美しい」文字にはならないことに似ています。
ボドニー、ヘルベチカ、それぞれにはセリフ体という伝統への革新性があります。
書体法則性の遵守から革新へ
私はこの革新性に「サンセリフ書体」のルールを認めなおかつ遵守基準にしています。
そして、これが表現されていないロゴタイプには「知性」と「美」を認めることができません。
現代、PCのアプリケーソンソフトの運用によってこうした伝統が破壊されています。
そしてその伝統の破壊は決して革新的な創造になっていないことを明言しておきたいと思います。
Tags: Tシャツに「漢字」, キャスロン, ゴジック体, サンセリフ体, セリフ体, タイポグラフィ, タイムズ, ヘルベチカ, ボドニー, マイクログラマ, ユニバース, 企業ロゴタイプ, 伝統, 伝統の堅持, 伝統の破壊, 伝統の継承, 内在的意味, 商品ブランド, 明朝体, 書体, 欧文書体, 裏切る, 革新的な創造
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2月 13th, 2011 Posted 12:00 AM
象徴としての企業ロゴタイプ
企業ロゴタイプは企業C.I.のシンボルです。
40年間の私の経験値で、
企業ロゴタイプのデザインは、まさしく象徴です。
企業を象徴しているというのは、
イメージから成長度、利益度、組織力程度までを表現しているということです
最近は、感心するようなロゴデザインだったのに、企業都合で突然変更された時には、
その企業の発展事情、その危険度を直感することがあります。
まずい変更デザインは必ず企業危機に陥ります。
まったくデザインとして完成度の無いロゴタイプになると、必ずその企業は没落していくものです。
企業理念の継承と革新=ロゴタイプデザイン
企業成長には、30年説、100年説があります。
日本には実際、300年以上の企業体が605社(帝国データバンク2010)もあります。
そのほとんどが「オーナー企業=同族経営」です。同族経営は理念を失ったときに崩壊します。
だから、連綿とした企業理念があり、その伝統継承と、常に創造的、革新的な経営が必要です。
そうした企業理念の共通事項には、
すべからく、「企業の社会貢献優先・社会への利益還元主義」が貫かれた企業は永続性があります。
無論、企業シンボルのマークやロゴタイプ・商標は変わっていません。
ロゴタイプの視覚的ルール
80年代にはC.I.ブームがありました。まるで、広告手法や宣伝方式でしかありませんでした。
当時、ふるさと福井でフリーだった私には、デザイン依頼や相談が持ち込まれました。
私が最も心がけたのは、「新規デザインをするか、しないか」を決めることでした。
創立時のマークやロゴを、イメージを変えずに視覚修正したものが多くあります。
新規デザインをする場合、特に欧文ロゴタイプについては、
徹底的に伝統的なレタリングルール・法則にこだわりました。
最近は、レタリングルールを「創作」という言い訳にしてしまって、
まったくルールや法則性が狂ったデザイン氾濫があります。
そうして、そのようなロゴタイプ・シンボルに変更した企業は、
必ず企業存続・企業存在が無くなっていくものです。
ある意味では、「姓名判断」的な「ロゴタイプ判断」が可能ではないかとすら思うことがあります。
企業C.I.のロゴタイプやマークは、企業の象徴性=シンボルが明示されているものです。
Tags: 「新規デザインをするか、しないか」, 100年説, 30年説, C.I.ブーム, イメージ, オーナー企業, ロゴタイプ判断, 企業C.I.シンボル, 企業の永続性, 企業の社会貢献社会への利益還元主義, 企業ロゴタイプ, 企業を象徴, 企業存続、企業存在, 企業成長, 伝統継承, 利益度, 創造的な経営, 同族経営, 姓名判断, 成長度, 組織力程度, 視覚修正
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2月 12th, 2011 Posted 12:53 AM
デザインストローク訓練
美大時代、最も厳しかった実技実習。
それは「レタリング」でした。
デザインストロークという技術をマスターします。
フリーハンドでラインを描く手法です。
次に、カーペンターペンシル(平板の黒鉛芯)で、英文字を描きます。
英文字には筆順がありますから、これをマスターします。
今、こうした実習はなくなりつつありますが、
私はデザインストロークは必ず「デザイン基礎技能習得」として教えています。
工業デザインでは、英文字レタリングは何種かをフリーハンドで描けるように
徹底したトレーニングで鍛えられました。
私は下手だったので合格するまで徹底的に仕込まれました。
しかし、そのおかげでレタリングには画然たる自信があります。
レタリング技量
したがって、ビジュアルC.I.での企業ブランドのロゴタイプをデザインする技量の基本は、
トレーニングされた技能が必要だと確信しています。
最近では、PCのソフトで簡単に作成できますが、
その技能では、「レタースペース」=いわゆるカーニングとか、
「ヘアーラインバランス」=視覚補正が未完成なレタリングでのロゴタイプが氾濫しています。
私はいくつかの企業ロゴタイプもデザインしています。
あえて作品集や個展でも展示したことがありませんが、
企業ロゴタイプは、企業シンボルとしてその成長やイメージに直結しています。
ロゴタイプデザインは「手」で
私の経験値では、「企業シンボルとしての企業ロゴタイプ」は、
直感的に、このデザインでは、企業イメージ、企業C.I.としての成否判断ができます。
私はデザイナー育成教育の基礎として、
感性的な技量・センス訓練に、デザインストローク訓練はとても大事だと判断しています。
ビジュアルC.I.としての企業ロゴタイプは、PCを使わずに、
まず、ロゴタイプデザイン・レタリングの基本は「手」で生み出すべきだと考えています。
Tags: カーニング, カーペンターペンシル, デザインストローク, デザイン基礎技能習得, ビジュアルC.I., フリーハンド, ヘアーラインバランス, レタリング, ロゴタイプデザイン, 企業シンボル, 企業ブランドのロゴタイプ, 企業ロゴタイプ, 実技実習, 工業デザイン, 美大時代, 英文字レタリング, 視覚補正
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2月 11th, 2011 Posted 12:50 AM
アイデンフィケーションデザイン
C.I.を私が始めて知ったのは東芝でした。
しかも、まだ新人デザイナーだったので、
企業の存在性を、ただマークやロゴのデザインで知った程度です。
しかし、新ブランドの社内外コンペで、
「オーディオブランド・Aurex」のロゴデザインでは、
私の提案が採用され、そのビジュアル展開すべてが業務になりました。
あらゆるビジュアル展開を準備制作しました。
たとえば、屋外看板からネオンサインまでのマニュアルづくりをしました。
入社して最初の大きな仕事だったと思います。
私は、あくまでもビジュアルデザインとしてのC.I.を体験することで、
あらためて「アイデンフィケーション」の原意に遡及することができたわけです。
「アイデンティティ」というE.H.エリクソンの心理学説にたどり着き、
その学説をデザインに置き換えることが私の経験値になっていったと思っています。
フリーになってからは、製品開発から商品展開の大前提では、
その企業の社会的存在性をクライアントに常にC.I.議論を持ち込みました。
まだまだ若輩にすぎないデザイナーが、経営者相手にそんな話を持ち込むわけですから、
ほとんどの仕事は断られていました。
怒鳴り返された経験がどれだけあるでしょうか。だから、今度は私が切り返しました。
どうしようもない企業マークやロゴを私は絶対に一新することを主張していました。
なぜなら、これからデザインするモノに、その企業のマークなり、ロゴが付くわけですから、
企業のビジュアル展開の考え方そのものを求めたのです。
企業C.I.ディレクションの成功体験
たとえば、「整理タンス」のメーカーに行って、
そのオフィスが整理整頓もされていなく、掃除も行き届いていなければ文句を言いました。
しっかりと私のような若造の話に耳を傾けていただいた企業での仕事は成功し、
なおかつ、そんな企業は見事に成長していきました。
したがって私のデザイン活動、その成功体験はすべて企業C.I.をディレクションできたところです。
伝統工芸産地、地場産業などでの成功体験は、
C.I.デザインと商品デザインを結びつけたとき、すべてが成功したと判断しています。
Tags: C.I., C.I.デザイン, C.I.議論, E.H.エリクソン, アイデンフィケーション, オーディオブランド・Aurex, ビジュアル展開, マニュアルづくり, ロゴデザイン, 企業の存在性, 商品デザイン, 心理学説, 成功体験
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2月 10th, 2011 Posted 12:48 AM
資本主義社会の幻惑
いい大学に入り大企業に入る、ということ。
現代社会、資本主義社会の幻惑でした。
この幻惑からそろそろ解放されるのでしょうか。
私は、ようやく日本社会が、
この解放感を感じ始めているのではないだろうかと期待しています。
それは、三つほど思い当たるのです。
・まず、高度経済成長が停止して企業の終身雇用も不可能だという事態に気づいたこと。
・貧しいことからの解放が拝金主義であるという過ちに気づいたこと。
・企業人である前に、自分、家族、友人という社会が優先度があるということ。
ところが、この真逆現象もわが国を襲い始めています。
根本は、「日本国家のアイデンティティが浮動している」ことです。
治安が乱れ、倫理観が欠如し、日本人同士が敵対する状況、
このようなエピソードがニュースになる時代を引き込みました。
真逆現象の衝突
結果、この真逆現象そのものがぶつかりあっています。
それは企業人事構造が二分化したことが最大の原因だと考えます。
派遣社員と本採用社員が混在化している企業は、
「資本主義の終焉」を曖昧にしている企業組織体になってしまったということです。
敗戦後の日本が、「企業」という組織体に、
日本のアイデンティティを預けてしまったことを再検証すべき時期にきたものと判断します。
つまり、企業存在、企業アイデンティティ、企業C.I.の再構築以前に、
私たちは、日本国のアイデンティティが曖昧にしている大問題を直視すべきだと私は考えています。
Tags: エピソード, 企業C.I.日本国のアイデンティティが曖昧, 企業アイデンティティ, 企業の終身雇用, 企業人事構造, 企業存在, 倫理観, 優先度, 拝金主義, 敵対, 日本のアイデンティティ, 日本国家のアイデンティが浮動している, 本採用社員, 治安, 派遣社員, 混在化している企業, 真逆現象, 資本主義の終焉, 資本主義社会の幻惑, 高度経済成長が停止
Posted in 046「豊さの分配」, 資本主義から逃走せよ!
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2月 9th, 2011 Posted 12:00 AM
存在イメージ戦略
世界的な不況感の中に囚われている企業。
その企業の存在性のイメージが浮動しています。
この浮動原因を見極めておくべきでしょう。その一つをメモします。
バブル時代には、C.I.ブームがありました。
企業が、存在イメージをC.I.デザインに求めました。
どれだけ多くの企業が、マークやロゴのデザイン変更をしたことでしょうか。
C.I.デザインというのは「コーポレートアイデンティフィケーション」ということで、
特にビジュアルデザインの統一性が競われました。不成功企業がいっぱいありました。
それは社長交代でマークやロゴが変更するということも一因でした。
JALなどもどれだけデザイン投資したのでしょうか。
どれも「失敗要因・拒否記号」というのが私の評価です。
最近は、かっての「鶴マーク」にもどされました。これもさらにブラシュアップが必要でしょう。
私はこれがC.I.なのかブランド戦略なのかが不明であることをプロとして観察しています。
最近、地方行政では「デザイン戦略というよりブランド戦略」という話を聞いて、
「なぜ?」って問い返すと、「ブランドというキーワードだと補助金がもらえるんです」とのこと。
大間違いです。
要は、C.I.戦略なのかブランド戦略なのかが不理解なまま、
そのような曖昧なデザイン高度化事業になっていることです。
書店では、「ブランド戦略本」ばかり見かけます。
立ち読みすると、デザインまったくわからずの著者が声高な文章で煽っています。
ブランド戦略
「ブランド戦略を」という依頼を受けることがあります。
私は、その前にビジュアルC.I.があまりに不整備なところには、
C.I.の解説から始めますが、理解できない担当者・経営者に唖然とするのです。
「ブランドって何ですか」と尋ね返します。
ほとんど正解は返ってきません。無論、すでに企業C.I.デザインなどは忘れられています。
企業というのは「社会的な存在性」が認知されてこそ経営ができるわけです。
だから、まず、アイデンティティを完備しなければ、ブランド構築などはありえないのです。
ブランドの原意
「ブランド」と飼育牛に「焼き印」を押すことが原意です。
この牛は、私が管理し育成しているという目印です。
だから、企業あるいは商品に「焼き印」目印がブランドのことであり、
それはC.I.というアイデンティフィケーションが不可欠です。
まず、ビジュアルデザインで整っていなければ「ブランド」構築には入れないわけです。
今、わが国のアイデンティが不明になっています。
したがって、「日本ブランド」の構築は不能だということを知るべきでしょう。
「日本ブランド」は「Made in Japan」で語り直せます。
ただし、「Made in Japan」のアイデンフィケーションをリスタラクチャリングが必要です。
Tags: C.I.デザイン, C.I.ブーム, Made in Japan, アイデンティティ, アイデンティフィケーション, コーポレートアイデンティフィケーション, デザイン戦略というよりブランド戦略, デザイン高度化事業, ビジュアルデザインの統一性, 不成功企業, 不況感, 企業の存在性, 存在イメージ戦略, 拒否記号, 日本ブランド, 浮動原因, 社会的な存在性, 鶴マーク
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2月 8th, 2011 Posted 12:00 AM
土佐絵師・冷泉為恭
冷泉為恭という土佐絵師がいました。
彼は土佐絵の中興の名手です。
そして、幕末には勤王派で幕史から狙われる危険人物。
逃亡の時にも、肌身離さず所持していた書物がありました。
「伝藤原行成筆の『仮名消息』」でした。
彼は緊急事態でとうとうその書を神光院に託したと言われるほど劇的な逸話があります。
冷泉為恭は、絵師であるばかりか書に対しての研鑽も並外れた人物でした。
この書は、歴史的に次々と持ち主が変遷しました。
行方不明説もありましたが、昭和28年頃に、東京美術倶楽部に入札されて存在が判明。
無論、偽物も数多く出回ったということです。
持ち主の変遷を辿るだけでも、この書の偉大さが分かります。
偽物に纏わる話も際限無く面白い物語です。
ただ、本物も紙屑のごとく破片となってもその真贋が問われるほどのものだったようです。
仮名文字の標本手本
この書は、仮名文字の標本であり手本とされた藤原行成筆でした。
藤原行成の書に冷泉為恭がとらわれるのは,
行成が清少納言への書状であり、
それまた様々な人たちが、仮名文字の「手本」としたからでしょう。
ともかく、行成の書があまりにも美しくて、
私自身この仮名文字のように書きたいと思ってきたものがほとんど偶然にも、
藤原行成筆だったのです。
特に、肝心の仮名である、「あ」・「す」・「て」・「な」等は秀逸に美しいと思っています。
だから、歴史的な数多くの逸話の中で残されたこの書・『仮名消息』も、
私には「夢の形見」の一つだと考えています。
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Posted in 067 「夢の形見に」, 資本主義から逃走せよ!
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