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Posts Tagged ‘陰影’


「カメラ修行は今なお・・・」


   


     12月 11th, 2011  Posted 12:00 AM

大正時代のPearletteを祖父からもらいました。
それでカメラの構造を知りました。小学生の頃です。
そして父のカメラを時々こっそりと触っていました。
自分のカメラを持ったのは、美大入学して、
UHFのTV局・福井テレビのマーク募集があり、
大学1年の夏休みに制作し、そのコンペで一等賞採用。
今そのマークは使われていませんが、
その賞金は当時10万円ももらえました。
それで購入したのが、「ニコマートFT 」でした。
本格的三脚とこのカメラで、実習課題の撮影をしていました。
ISO400の世界をどう撮影するか自学自習でした。
そしてプロになって、商品撮影でプロの撮影、
特に「照明と陰影や二重露光」の専門的撮影を現場で体験学習し、
日本でトップのカメラマンの方とも出逢いました。
だからテクニックを色々教えてもらうことができました。
フリーになってから、あるデザイン系雑誌の編集長から、
「そろそろこの人に作品撮影をしてもらうべき」ということで、
さらに、細やかなテクニックを学ぶことができました。
カメラ収集にはまり込みそうになる自分をそれなりに律してきました。
が、どうしてもそれなりのカメラは所有しています。
所有することで、使用するテクニックが上等になってはいません。
それでも、マクロレンズで自分の作品である商品、
そのディテールは自分で撮影しています。
そして今では、すっかりデジタルカメラになったのです。
デジタルカメラになって最大のポイントは三つあると思っています。
●「ホワイトバランス」色温度をまず見極めること。
●CCDゆえの曖昧さを利用運用することです。
そうして、
●絞り優先・シャッタースピード優先までを使いこなす、
この3点が重要だということです。
今、どうしても使いこなしたいのはLeica M8.2です。
だから今なおカメラ修行しているといっていいでしょう。

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「仮面社会=ペルソナか、マスカレードか」


   


     11月 10th, 2011  Posted 12:00 AM

資本主義社会の終焉は、
民主主義構造を脆弱にして、これをも破壊するだろう。
この予感を大学人になって以来持ち続けてきました。
その兆候というより、現実化・現前というより
事件が取り巻き始めてきました。
東日本大震災も原電事故、そしてこれから起こりうること、
すべてに、「仮面」ある人と策略が見え隠れしています。
「やっぱり、あの企業は」とか、
日和見的な企業人=経営者とか大学人が出てきています。
彼らや彼らの組織は仮面を被っていたにすぎないのです。
企業がブランドと呼ぶものは仮面だったのかもしれません。
ペルソナとはパーソナリティの原意であり、
マスカレードとは実体を化粧し隠匿させる美的手法です。
いづれも、日本的伝統、伝統的美学・倫理性の前では、
「剥ぎ取られるべき」ものにすぎません。
「能面」の表情には、陰影でその能面という仮面下の
実体をさらけ出す美学的手段があります。
資本主義を手段化し、経営トップだけが「経営=自己利益獲得」、
技術者は知的使い捨て労働者にしていただけです。
民主主義こそ、人類の最高理想主義とかに、
そろそれその仮面=マスカレードとペルソナを
剥ぎ取る時期が到来してきたのでしょう。
それは、さらに仮面を被った国際関係の中にこそ、
巨大で太刀打ち困難な「国家危機」すらまちうけています。
私は、日本の伝統芸「能」の根本に、
仮面、ペルソナか、マスカレードか、
この分別を見極める日本民族の美的智恵があると通告しておきます。
本来、社会的リーダーたる人のが、
もし仮面だけならば、剥ぎ取るべきでしょう。

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