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「音を求めて『闇に座す』」


   


     2月 11th, 2012  Posted 12:00 AM

「土」と「立」の修辞的な直喩造形デザイン。
私がデザイナーになってからは「音」を対象にしていました。
そして、歩けない、立てなくなった私の願いを造形に、
直裁的に求めて座禅用の倚子にすべてを込めました。

    闇-沈黙に座す。

    沈黙の密度が許す
    その反物質という口癖が 音・・・か
    事件は予想されうる饒舌が
    沈黙のことを度外視している・光景か
    祈りと願いへの思い込みは
    沈黙を信じる態度であろう。
    大地・乾坤の間の「土」に「立」つ
    それまでが「闇に座す」。
    これが、「音を求める」私のやり方と思う。

音をデザイン行為とその対象で聴いてきました。
その態度に倚子、それも瞑想するために座す倚子をデザインしました。
その倚子に込めた知識を歴史から求め、五大思想で支えました。
発想してから20余年という時間で、
美術館に配置し鑑賞と使用をしてもらいました。
そして、私は座ることは出来ても立てない倚子でしたが、
倚子は土の上に坐し立つということの象徴であることを明示しました。
そして、歩けなくなったこと、立てなくなったこと、
この宿命的な現実を諦める確認を造形、
デザイン手法に込めることで、
これから生きていくためにもその象徴、
オブジェとしてイスにしたわけです。
それが、ちょうど金沢でデザインを学んで、
金沢21世紀美術館での個展開催、
「いのち・きもち・かたち 川崎和男展」で
里帰りができるとは思ってもいませんでした。
きっと、「闇」を「音」で見つめようと、
常にしてきた私のやり方を神様が認めてくれたのかもしれません。


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