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『資本主義からの逃走』
   「ビジネスモデルはビジネスデザインモデルに」


   


     11月 20th, 2010  Posted 12:00 AM

モデルは5つ
「ビジネスモデル」という言葉が流行っています。
しかし、私はこの言葉は流行語であって
意味は浮ついたままだと評価します。
実際は、このビジネス=経営+モデル=対象選定と
その理論と考えるとわかりやすいと私は思っています。
すぐ軽薄にビジネスモデルを吹聴するベンチャーには大きな落とし穴があります。
それは「モデル」ということの詳細を見つめていないと経営は必ず破綻します。
デザイナーにとってみると、モデル=模型です。
模型というのは、次の5種あると分別すれば理解しやすいことを提案しておきます。

   ■ 単純化モデル・単純化しただけのイメージ再現
   ■ 構成化モデル・構造や構成だけで印象化できる
   ■ 近似化モデル・とても似通っているイメージ
   ■ 相似化モデル・近似よりも相似型で十分
   ■ 同型化モデル・ほぼ同じ印象を持てる

以上の5つのモデルはなぜそれを対象としているかという考え方=論理が必要です。
まして、経営モデルですから、「収益性」の「裏付け=論理」です。
利益(profit)+ 利得(benefit)
現在、景気が悪くなると、「収益性」の独占化が平然となっていることです。
つまり、「収益性=利益(profit)+ 利得(benefit)」であるべきです。
そして、profitは労働対価であり、benefitは社会還元対価することです。
これが本来のビジネス=経営=社会的存在につながっているはずです。
しかし、profitだけを自分たちの収益であって、
社会還元=納税や社会貢献などbenefitなどはこの不景気にはありえない、
という考え方がまかり通っていることです。
倫理性+美学性=benefit
私はbenefitには倫理性や美学性を社会的に具現化する論理だと考えています。
したがって、profitは自分たちのビジネスモデルだから独占するけれど、
とてもbenefitなどの余裕は無いのだから社会還元はできない、
という考え方に落ち込んでいることを指摘してかなければならないでしょう。
つまり、ビジネスモデルというのはもはや壊れてしまっているということです。
そこで、私はデザイン(美学性+倫理性)をプラスさせるモデル化を
「ビジネスデザインモデル」と呼んで提案したいと考えているわけです。
そして、最も注目しておいてほしいことは、
モデルのコンセプトづくり
モデルには5つの分類があるというのは、モデルのコンセプトづくりに、
単純化・構成化・近似化・相似化・同型化を持ち込んでいくことです。
そのためには、文系的発想と理系的発想が必ず同等同値でからみついているということです。


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