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「ロボット・『踊』の意図すること」


   


     4月 28th, 2012  Posted 12:00 AM

私のロボットデザインは「舞」から始まりました。
それは、「形態論+身体論」=Nomenclatorです。
哲学者・中村雄二郎先生の明確な方向づけがあったからでした。
したがって、あの「不気味の谷」に落ち込んでいる多数のロボットから、
確実に離脱することができたと自負しています。
ロボット学者や企業ロボットが
最も見失っていることを具現化できるのです。
すでに遺産的なアシモフのロボット原則もさることながら、
J・ボードリヤールの次の指摘も乗りこえていると自己評価しています。
「もしもロボットが、
機械的な人工補綴というその性質を
はっきりと示していれば、
それはまったく「安全な状態で魅力」を発揮するためである。」
さらに、
「もしもロボットが、
行動の柔軟さというところまで人間の分身であれば、
それは「不安」を呼び起こすだろう。」
そして、二本足より確実な四輪・四つ足で、階段を上り、
飛び超す動作体系を目的化したデザインです。
そして、「表情化の実現」です。
これにはまだまだロボット設計学の進化を待たなければならないでしょう。
ヒューマノイド的なまさに人間の「顔」からの離脱が
当然でなければなりません。
そして、ヒューマン・ロボット・インタラクションという学域が
これから構築されていくことを「意図」して、
CGでそのデザイン設計に至りました。
「舞」は足裏を見せませんが、
「踊」は、足裏をまさしく小躍りして見せることになります。
安全+安心、
つまりまず安全であることを確約することで安心できるというのは、
スポーツの型のようなことです。
「受け身」という型をマスターするとか、
「準備体操」を十分にしてということが物語っています。
安心+安全は、
小動物のごとくまったく攻撃はしてこない「かわいさ」です。
かわいさという安心が成り立ってから、
その行動体系で安全が確保されていることを意味しています。
「舞」も「踊」も、「表情」でのかわいさが的確に、
人間とロボットとの相互性を保全できればいいというのが、
私の基礎学的なデザイン意図ということです。
ただ、まだこの「踊」にはメカノイド的な印象が残っています。
その改良と改善がいまだに私のテーマです。

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