「シリンジの問題解決・2006年から取り組んできた」
1月 20th, 2013 Posted 12:00 AM
2006年は、様々なことが起こりました。
金沢21世紀美術館で35年間のデザイン活動発表の機会と
作品が永久収蔵されました。
あれだけ大きな国内での「個展」は二度とできないでしょう。
だから、本当に命がけで取り組みました。
それは身体に大きな影響を受け、「敗血症・多臓器不全」にて、
重篤状況にまで追い込まれました。
三度も「あの世」への道を往復したことになります。
運良く帰還したときに直感で、
「ワクチン開発をやろう」と研究室に告げました。
PKD=Peace-Keeping Designの具体的活動は、ワクチン接種でした。
そこで、シリンジの開発に向かいました。
現実案とアドバンス案(画像写真)を発表し、
国立循環器センターからある医療機器メーカーを紹介されました。
現実案は米国の大手医療機器メーカーにもその情報は届き、
シンガポールの開発室が大学に訪ねてくるほどでした。
ところが大問題に直面することになりました。
それは、もはや国内では
いわゆる注射針=ニードルの製造生産ラインが
無いということになりました。
これは、日本にとって大問題です。
いわゆる注射針での接種は、「経皮接種」です。
したがって、経皮・経肺・経鼻などの研究も研究室のテーマになり、
博士後期課程では、この問題に深く関わって、
一人、工学博士号取得者も生まれました。
ドライパウダーでのワクチン開発がまだまだ時間を要することも
次第に明らかになってきました。
そこで、
「経鼻」=鼻から吸い込むというシリンジ開発が目標になりました。
これはより具体的には
「結核ワクチン接種」をテーマにすることに至りました。
そのためには、結核かどうかの検診を遺伝子検査と、
そのシステム開発もともないながら、
その検査システムや検査機器の開発まで及びました。
そして、同時に「経鼻吸引接種」のシリンジが具体化してきたわけです。
昨日ようやくメーカーから、
そのシリンジがデザインどおりに
モックアップモデルが出来上がってきました。
5年かかりましたが、
結局は電動シリンジなどまでが開発アイテムとして拡大しました。
アドバンスからのスタートでも時間が加わって「造る」こととは、
しみじみと実感しています。
そして何よりも「ワクチン開発」は、
適塾・緒方洪庵の牛痘接種の歴史を
阪大は系譜として連続してきた伝統だと言うこともできます。
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