10月 16th, 2013 Posted 12:00 AM
越前打刃物にデザインを投入して30年になりました。
いわゆる企業存続では一つの大きな山を越えました。なぜならば、
1000社が生まれても30年後には2.8社しか残らないのです。
ナイフビレッジの第一世代はすでに刃物作家として、
国際的なビジネスマンにも成長してくれました。
最近では、ロシア系のマニア向け商品を送ってくれました。
元来は「鉈の製造」から、私のデザインを実現するとともに、
刃物作家としての技法を取得し、今では、ナイフ専門誌では、
スターランクの仕事をしてくれています。
彼の存在があるから、彼のようにという若手・第二世代がいます。
私は、彼の親父さんからもいっぱい刃物づくりを学びました。
その親父さんから、本当は受け継ぎたくなかったという彼が、
鉈から、私のデザインを取り入れ、
とうとうナイフづくりをマスターしてナイフ作家になりました。
彼自身は、少しずつ注目をあび、今では欧米どころか、
ロシア系に彼のファンが生まれるまでになりました。
私のデザインでは、3万円程度が限界ですが、
彼のような「作家モノ」になると10~数十万円になります。
私もまさか国際的なビジネスマン的に欧米・中・ロシアまでを
飛び歩き、海外からの買い付けにまで応じられる作家であり、
鉈から包丁、キッチンナイフ、ナイフ、そして工芸的ナイフまでを
本当にマスターしてくれました。
しかし、私はまだまだ彼を含めて第一世代には、
「さらに一流」を目指してもらいたく、厳しい批判をしています。
共同工房建設して20周年で、第一世代には、
もっと進化させた刃物づくりをしてもらいます。
その影響を第二世代に引き継ぎ、
彼らは今度、第三世代を呼び込んでくれることを期待しています。
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10月 27th, 2012 Posted 12:29 AM
映画「007」は50周年の新作ができたということです。
なるほど、私にとっても大好きなこの映画、
少年時代から今日に至るまで、
私の生涯の楽しみだったということです。
デザイナーとして、この映画のアイコン性を確かめてみましょう。
まず、007のロゴタイプとオープン画像の渦巻きが
最もそのシンボル性を確立しています。
そして、主人公は世代が代わり、
物語りに登場する武器である拳銃が
「ワルサー」であることもよく知られています。
しかし、ワルサーも物語り年代に合わせて、
武器アイテムもワルサーのモデルチェンジと重なっていたことは
007マニアは知っているでしょうがほとんど知られていません。
ワルサーは明らかに三つの形態言語を持ってきました。
ワルサーという拳銃の歴史上では、
007に登場してきたモノの、
第二世代のPPKとP5は、ほとんど一般的には見分けがつかない
確固たる形態言語を持っていました。
したがって、第三世代の形態言語になろうとしているP99が
最近の小道具武器になっています。
しかし、
第二世代の形態言語を新たなモデルチェンジするための造形言語は、
銃器マーケットでは失敗作と言われています。
性能を含めた商品デザインとしては不成功になっています。
私は、デザインすること=造形と呼び、
デザインされた形態を言語と定義しています。
つまり、
デザイン意図を込めて造形すること=designing language=造形言語、
デザインされた形態=designed language=形態言語と呼んでいます。
したがって、この50年の歴史に登場したモノとしての拳銃デザインは、
アイコンとしてのイメージ=記号化された形態ですら、
造形言語の変更が失敗に至ることを示しています。
つまり、なぜPPKやP5を造形言語を変更してP99にしたかは、
拳銃市場の流行の読み違えがあったからでした。
しかもこのデザインは欧州の著名なデザイナーによるものです。
この失敗が拳銃市場では大きな問題になっていることは事実です。
私は、商品デザインにおける造形言語と形態言語の関係=構造を
この「007」のアイコン=記号からも解読出来ることを、
特に、次世代デザイナーに熟知してもらいたいと考えています。
私は、造形言語と形態言語・アイコン・記号のデザイン実例として、
「007」は参考事例になると明言しておきます。
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