3月 25th, 2012 Posted 12:11 AM
Platinum Morphological Reflection Method.
伝統的な有田磁器への新たな造形デザイン意図は、
カップのプラチナ釉薬仕上げによって、
Anamorphosis的なソーサーグラフィックを反射させることで、
これまでの陶磁器文様のあり方に一つの表現形式を与えることでした。
問題は、プラチナ釉薬の焼成が何度も思い通り平滑に仕上がらず、
結果はソーサー文様が歪曲してしまいます。
特に有田現地産出の天草陶石については、
土練りから成形・型抜き・素焼き・施釉、そして窯入れ・本焼き、
窯出しを経て、プラチナ・金処理後の錦窯で定着までを
産地の職人さんとのやりとりを2年間繰り返しました。
こうした現場とデザインの関係を、
Product Process Method of Development Management
PPMDMと呼ぶことにしています。
こうした有田の工程は、有田焼を最も特徴づけています。
それは土練りから成形し素焼き後すぐに施釉するのは,
1640年代ごろの中国人による革新技でした。
これが有田焼の最初の革新だったと私は思っています。
さらに、3回も焼成する伝統技を生かすことで、
プラチナ釉薬が定着するかどうかでした。
困難を極めました。
だから私はプラチナを線で表現しても、
面表現は無理と思わざるを得ませんでした
しかし、産地・福泉窯は社運をかけて取り組んでもらいました。
正直まだまだ改善することは残っています。
これがとても大切な課題です。
この課題こそ今後の有田焼はもちろん
国内すべての陶磁器伝統産業への問題解決になるでしょう。
ともかく第一段目の商品化にたどり着いたと判断しました。
陶石をさらに金属化していくことで、
現代のセラミックス技術に統合化できないだろうか。
プラチナの施釉ではない新たな定着方式など、
今、私の想像力の中ではPPMDMという
陶磁器産業へのデザイン導入方法のアイディアに包まれています。
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3月 22nd, 2012 Posted 2:16 PM
3月21日
九州の佐賀県立九州陶磁文化館にて
「伝統工芸的製陶産業の
デザイン主導の革新」
という演題で講演会を行った
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)
平日の午後2時からの時間帯で
お客様の入りが少し心配だったのですが、
100名近い方々にお越しいただきました。
ありがとうございます。
講演会では3月14日に発表した
Kz-arita Coffee & Tea Cup Setを事例とし
「産地活性化のための陶磁器産業の革新」と
「有田で開発したいこと!」
「陶磁器を21世紀製品に!」
という内容を中心に語りました。
最後は福泉窯さんより
サプライズで花束をいただくBOSS。
お招きくださった、
主催の佐賀県陶磁器工業協同組合の皆様。
遠いところまで
足を運んでいただいたご来場の皆様。
そして福泉窯の皆様
本当にありがとうございました。
今後の福泉窯さんとの
Kz-aritaプロジェクトにもご注目ください。
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3月 18th, 2012 Posted 12:00 AM
陶磁器については、私の関心は小さいときからありました。
ほとんど日常生活は九谷焼に取り囲まれていました。
唐三彩などは雪国の利休鼠色の曇天には
とても重要だったのではと思っています。
デザイナーになってから、
ともかく超えられない陶芸作家が3人いました。
まず、徳田正彦氏(徳田八十吉・三代目・金沢美大先輩)から、
若尾利貞先生・小松誠氏です。
正彦氏の九谷焼は高校時代に大きなショックを受けました。
これまでの九谷を大革新した唐三彩の色使い、
それが、在米日本大使館の大きな玄関にある大皿は本当に見事です。
小松誠氏は知人であり、彼の陶磁器デザインは秀逸です。
なるほどMoMAにはすぐに収蔵されるデザイナーです。
そして陶芸家としての若尾先生の陶磁器研究や
その制作現場には大きな憧れがあり、先生の思想を作品から学びました。
小松誠氏の作品は何度か批評を書かさせてもらい、
氏からも作品をいただいていました。
したがって、彼らの作品を前にするととても打ちのめされていましたから、
自分の発想がアポリアになってしまいます。
しかし、有田の福泉窯さんからステッキのデザインを依頼され、
あらためて世界の陶芸ブランド品も収集しながら、
ともかくティーカップの前にコーヒーカップからトライを、
これがようやく2年がかりで商品化するまでになりました。
本当は、もうアルミナ素材で
すべてをセラミックス化をと思っていましたが、
伝統工芸の産地で、この投資は困難です。
そこで「PMR=Platinum Morphological Reflection」と名付ける
Anamorphosis的な効果をねらうために、
プラチナ釉薬を現地産の天草陶石で試作を繰り返してもらいました。
このミラーリング効果は、
おそらく陶磁器表現としては世界でも初めての試みだと思います。
なんといってもミラーリングによるAnamorphosis的な効果を、
さらに完成度技法をアップさせなければなりません。
プラチナ釉薬や陶磁器素材と焼成方法を進化させる方法が
すべて自分の中に蓄積できました。
ここから、新たな革新を有田はもとより、日本各地の陶磁器産地へと
セラミックス容器デザインそのものを今世紀に革新できるでしょう。
そして、こうした素材・釉薬・焼成などから
日本の新たな輸出産業化をめざしたいと考えています。
相変わらずの陶磁器デザインに固守するデザイナーは義務放棄です。
いくたびも、試作品で、「飲み心地・使い心地」の確認をしてきました。
まだまだやれそうなことがあると考えています。
そうして、新たな陶磁器・セラミックスデザインのために
新たな才能を見つけ出すつもりです。
もはや私はプロデューサーに徹したいという希望があります。
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3月 16th, 2012 Posted 6:37 PM
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3月 14th, 2012 Posted 5:37 PM
3月14日
本日
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)と
九州佐賀県の福泉窯との
コラボレーションブランドである
Kz-aritaより
新しいコーヒーカップとティーカップ、
それぞれのセットを
発表しました。
「Kz-arita Coffee & Tea Cup Sesies」
2年という開発期間をかけてやっと、
世に送り出すことができました。
感慨無量です。
その中の目玉商品はこちら、
PMR(Platinum Morphological Reflection)
ソーサーのグラフィックパターンが
プラチナ釉薬仕上げのカップの面に映り込み
見る角度によってその反射パターンに変化が起こります。
革新的な技法を導入したデザインです。
まだ、川崎は仕上げに満足していませんが、
福泉窯のみなさんの技術が追いつくでしょう。
もうじき販売を開始する予定です。
「Formal」
五行思想のシンボル図象の龍を配置した
伝統的な引用表現となります。
「Casual」
白銀比(1:1+√2)を基に計算した
造形プロポーションが奇麗です。
先ずコーヒーカップの
「CASUAL」「FORMAL」から
予約注文を受付しております。
商品は、
3月末から4月上旬に順次発送となります。
・特設ページ
・予約注文受付
また、Kz-aritaの第1弾商品
ステッキシリーズも好評発売中ですので、
興味のある方は是非ご覧ください。
「Kz-arita Stick Series」
・詳細はこちら
今後の展開は、
新たなデザイナーを起用し、
川崎はプロデューサーに徹すると発言しています。
お楽しみにしてください。
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12月 3rd, 2009 Posted 6:42 PM
12月3日
「FLIP」ベージュ色、到着!
BOSS(川崎和男)と
マルイチセーリング(福井)の製品、
KazuoKawasaki × Maruichiゆえに、
「f(m)=km キロメートル」がブランド名。
前回のお知らせでは、赤色を配置しました。
こちら。
ベージュもいいです。
ひろげてみると。
スピーカーの音に合わせて揺れたり。
JBL4343から、
音エネルギーを体全体に受けると、
そのエネルギーを発散するために、
揺れたり、踊ったりせずにはいれません!
陽だまりに置いて、ゆらゆらすると、
眠気が・・・。心地いいのです。
詳細もご覧になってください。
Tags: f(m)=km, FLIP, KazuoKawasaki, km, Maruichi, キロメートル, グリップ, ブランド, ベージュ, マルイチ, 川崎和男Staff Blog, 福泉窯, 赤色
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12月 2nd, 2009 Posted 8:00 PM
Tags: IFFT, KAWASAKI, Kazuo, kz-arita, グリップ, ステッキ, デザイン, 伝統技術, 先端医用工学, 川崎和男Staff Blog, 新作, 有田, 東京ビッグサイト, 発表, 福泉窯, 融合
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