『私は、東芝が大好きだ』
7月 27th, 2015 Posted 12:00 AM
金沢美大卒業が近づくと、Y主任教授から、
「お前は何をデザインしたいのか?」と聞かれて、
「音響と照明です」と答えたのをはっきりと覚えています。
「それなら東芝に行け」と言われましたが、ピンと来なくて、
自分でも二社を選択(当時一人に40社ありました)。
「先生、この二つの企業に行きたいです」と言いに行くと、
「君は二社とも合格するだろう」、「そうですか」と答えました。
「二社受かっても、卒業は出来ないから、君は東芝だ」(なぜ?)
東芝に入社して、希望は「音響部門だけ」と答えると、
そんな奴はいらん、と言われたので、
翌日、「辞表」を持って行きました。
ところが、当時のディレクターから「なぜ辞表だ」と言われて、
「音響以外、家電や重電まったくやりたくないので」
「いや、君は音響で採用したのだから辞めるな」と言われました。
東芝には7年間しか在籍しませんでしたが、
3.11後も顧問をしていましたがまた喧嘩、でも今では教え子もいます。
在職中にC.I.デザインに関わりました。
C.I.思想と手法は企業留学組が日本にいち早く持ち帰り学びました。
それ以前はAurexロゴデザインからC.I.をすべて担当していました。
私が入社したのは東京芝浦電気株式会社ゆえ、
傘マーク(左)は資生堂のごとく手描き訓練をしました。
「T」で東芝のマークは可能でしたから顧問時にも提案していました。
今、大きな話題「不正会計」が問われていますが、
経営トップたちの24時間体制=例えばメールも24時間以内に対応する、
これは優れた企業活動でしたが、ある面、恐怖支配感は体験しています。
160年の企業歴史は、田中久重=「T」の存在から始まっています。
私には自分がデザイナーとして育まれた素晴らしい環境の企業でした。
Y主任教授が倒れたという連絡で、すぐに金沢に飛んで帰りました。
教授は「どうした?大丈夫だぞ帰ってくることない」と言って、
病院の玄関まで送ってくれました。
「川崎、東芝の4番バッター(4番目に入社)だぞ」と見送られて、
その一週間後に恩師は逝きました。
私の人生は東芝から始まっています。
だから大好きです。
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Posted in ConsilienceDesign, 企望を「までい」具現へ, 危機解決をめざすデザイン実務
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