7月 17th, 2017 Posted 12:00 AM
35年ぶりに高島郁夫氏が来宅してくれました。
今、「DESIGN TOKYO」の審査委員をお願いしているのです。
カリスマバイヤーだった藤巻幸大氏が急逝してとても困り、
そうなると彼にお願いしようとすぐに提案。
彼も快く引き受けてもらったのです。
というのは、彼も福井県人であり、若いときにはマルイチセーリングの、
「際だって存在感があった」東京支店長でした。
当時ようやく全国区への参入をめざしていた、
このインテリアメーカーが「東京家具見本市」出展を私が提案したら、
小林社長(現在は会長)は最大ブースを予約して、
「川崎さん、全て任すから思い切りブース設計から製品デザインを」
(エッ最大ブース?どうする・・・)
そのブース統括は当然ながら東京支店長であった彼でした。
ソファーもいくつか相当にやり、それなら思い切って、
ということで、エレクトレットコンデンサースピーカーシステムを、と。
設計は丁度フリーになった東芝時代の
エレクトレットコンデンサーの専門家Y氏に製造までをまかせました。
今でも多分、25mm厚のバッフルに、
このスピーカーユニットと電源駆動実装は実現されていないでしょう。
すぐにフィラデルフィア美術館に永久展示になりました。
高島氏の存在を以後知ったのは、私の最初のマネージャーからでした。
「フランフラン:Francfranc知ってます?」
「んー、ごめん、知らない・・・」
「エッ、知らないんですか?」
当時ちょうど私は札幌市の市立大設立での初代学長候補でした。
(これは以後色々あって辞退問題にまでなりました・・・)
そうしたら、福岡にも札幌にも、
なるほど彼らしいとてもセンスあるインテリアショップ。
そうしたら大変な実業家になっていました。
来宅してもらうと、すぐに私は、
「ねっ、自家用ジェット買ってくれない?」と実業家には要望するのです。
ビジネスジェットが現代、最高の「手造り」なのです。
スピーカーは商品化できませんでしたが、35年前には実現していたのです。
結局は二人ですっかり未来の話になったのです。
しかも彼の企業グループに次世代デザイナーの森田恭通氏も取締役でした。
なんだか人生が回転して再会を果たしたのです。
* 「キャナルシティ博多での二つのショップ、二人の経営トップ」
* 「『国際文具・紙製品展』と『DESIGN TOKYO』展」
* 『JBL4343のメインテナンスは5.5回目、まだ10年はOKとか』
* 「SZ-1000・私のオーディオ最終作だから」
* 『インテリアデザインからの拡大・森田恭通のパリ個展』
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10月 8th, 2015 Posted 12:00 AM
私は工業デザイナーゆえに工業製品の確実さを最も信頼しています。
だから「大嫌いなモノづくり」に『手づくり』があります。
現代手づくりの大間違いは、手づくりだから一点一点違いがあります。
これは嘘です。本来、手づくりならば、正確無比でなければなりません。
そういう意味では、私が手づくりで認めているのに、
この万年筆とボールペンが在りますが
これらのいわゆる作家二人は亡くなりました。
だから最期の製品だということです。
もうこの手づくりは無くなるでしょう。
ボールペンは跡継ぎは、この手法をすべて機械づくりにしてしまいました。
残念ながら、もう選ぶことが出来ません。
手づくりには、手造りと手作りがあります。
万年筆は手造りであり、ボールペンは手作りです。
この違いが分からないデザイナーが増えてきました。
それが、人の手が入っていて「手づくりの良さ」とか言われると、
それこそ、物事のデザインと事物のデザイン、この差異性も論理化できない
デザインの無知さを指摘しないわけにはいきません。
すでにデザインはモノからコトに変わってきました、
という言われ方があり、
これは物事のデザインです。
ところが、コトのデザインが出来ているから、
これぞグッドデザインというのは、大間違いです。
事物のデザインとはおそらくIoT=Internet of Thingsになります。
ところが、IoTを語るITベンチャー企業は、
30年後には1000社が2.8社残るどころか、
5年後ほとんどが消滅していると断言しておきます。
手づくりは、手作りと手造りが、
物事のデザインと事物のデザインを成し遂げなければなりません。
アートもデザインもその差異性も語れないのに、ともかくデザインを
簡単に誇張している作品に、これまたマスコミが絡みついているのです。
正確無比なデザインが手づくりの万年筆を探し出すことは
とても困難になってしまいました。
それこそ、この万年筆もボールペンも米国の作家でしたが、
もう亡くなってしまったのです。
今、この傾向がペルシャ絨毯の世界にも広がっています。
幸いなことは、日本の本当に数少ない伝統工芸産地の
ある才能には残っていることです。
物事のデザインと事物のデザインをI2Tにしていくには、
真の「手づくり」、その正確無比さをデザイナーが
語り直す必要があるようです。
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6月 21st, 2014 Posted 12:00 AM
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1月 17th, 2013 Posted 12:00 AM
ボーイングの787の事故が国内で目立っています。
私もすでに数回乗っています。
初めて乗ったとき、CAの方が年配の女性で、
失礼ながら絶対にダイエットすべきだし、
787のコンセプト「如何に軽量か」を否定していると思ったことでした。
とても気になっていたのは電気制御系が大変増加している印象があります。
JOE SUTTERと言っても、ほとんど知られていませんが、
私はボーイング747の開発史を徹底して追いかけていたことがあります。
彼は、1969年から、747のチーフ・ディレクターだった人物であり、
ジャンボ・ジェットを名実共に完成させたディレクターだと思っています。
787のANA機のインテリアは、
恩師のデザインスタジオが当初から関わっていました。
男性雑誌に新製品のデザイン紹介連載頁を持っていた頃、
その記事も書きました。
しかし、787の開発を取り入れた747-8(ダッシュ8)は、
おそらく人類が「手造り」という最大なる、
それも空中飛翔する物体・製品・商品・構築物だと思います。
「手造り」という、精緻さの根本とは、
ジャンボ・ジェットに人類は集約させたからこそ、
「安全と安心」=フェイルセーフ
という設計と製造を完成させたのでしょう。
この設計と製造こそ、
原子力発電システムに摘要させるべきことだと思います。
747-8は、省エネルギーで、コンピュータ制御での自動運転や、
「サッター・ツイスト」と呼ばれる、
主翼先端部にできる揚力と抗力の空力特性こそ、
あれほど巨大な物体が「空を飛ぶ」ことを
さらに正確にしてきたのだと評価しています。
数千人と600万点の部品で構成された人工物は「命」を確実に護り抜いて、
しかも長距離を飛翔までするのです。
人類が人工物を「手造り」で製造する力にはこれほどの力量があるのです。
私はものを「モノ」と表現するのは「人工物」を表現しています。
この4月から、私のデザイン活動は「安全・安心・危機管理」を
これまでのデザイン経験の総まとめとして
新しい産業分野づくりを創成することです。
そういう意味では、
787のきっと「初期不良」を747-8までの歴史と照らし合わせて、
工業デザインという領域で何が可能になっていくかを
見極めることだと思っています。
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