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『資本主義からの逃走』
    「Inclusiveは形容詞、Include=動詞からみつめる」


   


     12月 18th, 2010  Posted 12:00 AM

詳細化の二つの方法
デザインを詳細化する二つの方法。
私のデザインの本質の問いかけ方です。
それはデザインの本質を周縁から見つめ直すことです。
つまり、「デザインの取り囲み方」ということを意識してきました。
たとえば、エコロジカルデザイン(形容詞+名詞)よりもエコロジーデザイン(名詞+名詞)。
トポロジカルデザイン(形容詞+名詞)よりもトポロジーデザイン(名詞+名詞)。
「名詞+名詞」は、designという定着定義を、より名詞という決定定義で強調する表現を選びます。
この方法がふさわしいという考え方が適用出来ることでもっと定義性を深めるわけです。
もうひとつは、形容詞+名詞=周縁性によって取り囲まれている本質性という印象が、
さらにdesignの実態を浮かび上がらせるということです。これはゆるやかな定義性を誘導します。
したがって、Inclusive Designは、後者の「形容詞+名詞」です。
まさしくゆるやかな周縁性ですから、inclusiveという形容詞ではなくて、
元々のinclude(動詞)に戻って、その周縁性を確認することが必要だと考えてみる方法です。
動詞から形容詞+名詞という詳細化
それはincludeの意味、つまり「含む」という動詞ですが、
この「含む」というのは「含まれるいるということは、除外されていることとの関係性」、
さらには、「全体の一部に確実に構造化されている」という意味につながっています。
こうした動詞の形容詞ですから、まさに何を含むかに直結した意味よりも、
全体性や除外性を喩えてゆるやかな定義を導こうとしています。
とりあえず、形容詞+名詞=Inclusive designを定義する前に、
includeという動詞の検証をしておきます。
もう一度言い直すと、「除外性のようなこと」=形容詞を意識して、
全体性に「含んでいく」という動詞=includeという周縁から改めて、
Inclusive Designを定義化しようということになるという考え方を私はしているということです。


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