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Posts Tagged ‘天井画’


『仏教絵画というとても地道な作品を識るべき』


   


     11月 1st, 2017  Posted 12:00 AM

工業デザイナーの私には、大好きな芸術家や工芸家が数名います。
いつも案内をいただける吉永邦治氏は、仏教絵画では
本当に地道な活動をされていて教えられること多々あります。
これだけ地道で確実な仕事ぶりには、感激・感動をしています。
いわゆる仏教における飛天図を描いたなら彼が日本では筆頭でしょう。
仏教絵画絵師になるための修行僧からの研鑽、海外での放浪調査は、
今回、やはり飛天曼荼羅図となり、
徳島県の四国別格二十露場・第四番礼所・鯖大師本坊に描かれました。
世界的には、テロ・戦争によって古代遺跡は私たちの想像を上回るほど、
こうした遺跡は破壊されています。
しかもユネスコ遺産とまで指定されていても全滅状態は見過ごされています。
これすら守れないユネスコを、私は一方では無念さと怒りもあります。
それこそ、最近では、タリバン政権によって、
バーミヤン遺跡は破壊どころか消失してしまったのです。
人間の果てしない想像力が宗教哲学の表現とされた
石窟・壁画・天井画はもはや再現することさえ全く不可能です。
それだけに進化する技術とともに、
日本にあっては弘法大師や空海による曼荼羅は想像力の総まとめです。
曼荼羅がそれこそCPUの機能実装の地図でもあることの解明は
私には未だに出来ていませんし、研究成果を望んでいます。
それだけに飛天図がほとんどマスコミに騒がれること無く、
こうした新たな創造実現を私は美しさの一つとして紹介しておきます。
私自身、曼荼羅こそ思考回路の象徴であり、
曼荼羅と飛天図という私の直感はあってもまだまだ不明です。
しかし、その曼荼羅を我々に飛天は何かを伝えてくれているのです。
仏教哲学の図象はデザイナーの基礎知見だと確信します。
とりわけ、飛天図象への人間の想像性は知識+見識=知見でしょう。

* 『日本の国家プロジェクトはとても優れていたのに!』
* 『祇園祭・祇園と祭りの根源はもう忘れられている・・・」
* 『曼荼羅図に「思」と「考」を配置して論理を確認する』
* 「わが日常の仏様と幸と合掌と」
* 「モノづくり・コトづくり=デザインの源流でもう一度メモ」


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「『青の物語り』陶磁器の精彩な仕上げ進化」


   


     3月 7th, 2012  Posted 12:00 AM

デザイナーは好きな色を持ってはいけない。
これは美大時代にたたき込まれました。
「色全てを好きになりなさい」と教えられました。
私の色彩論の演習も講義もこれを基本にしています。
だからこそ色相=色味については常に詳細に見つめてきました。
昨年発売されたエルメス陶磁器の「青」を見たとき、
大きなショックを受けました。
一つはやっと自分のデザイン領域に陶磁器を対象にする機会がやってきて、
コーヒーカップやティーカップを「有田焼」で制作を始めてきました。
有田は九谷に通じる磁器産地です。
すでに、ARITAもKUTANIも商標権は中国のものにされてしまいました。
九谷は、子供の頃から慣れ親しんできた磁器です。
そうして有田にも大好きな窯元がありました。
ところがいずれの磁器にも「青」の精細さが失われてしまっています。
そうしたらあのエルメスが画然とした「青」を新作で実現してきました。
この青色はルーブルの天井画です。
ジョルジュ・ブラックの鳥の絵につながっている、
そんな気がしてなりません。
その鮮やかさは欧州の有名ブランドの青色を
さらに進化させていると私は評価しています。
間もなく、私は初めて陶磁器の商品発表をします。
ただ、まだまだ産地へのデザイン導入を強化しなければなりません。
今日気づいたのは、有田の伝統を切り捨てるべきと決心しました。
いくつかの要素と要因がありますが、
たとえば、欧州の有名陶磁器ブランドでさえ倒産する時代です。
となれば、日本各地の陶磁器産地は
根本から意識・製陶工程・流通・情報化を再考すべきです。
今月、有田に入ってそのことを講演し、
産地を鼓舞しに行くつもりです。

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