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「資本主義からの逃走」
「CD媒体が象徴してきたこと、やがて終焉へ」
  


   


     3月 8th, 2011  Posted 12:00 AM

CDが開発された頃
今私はCDを毎日エンコードしています。
気づいてみたらCDはどれほどあるのだろうか。
CDになる直前まで、私は企業でオーディオデザインに携わっていました。
フリーになると、RCAとフィリップス社でCD開発が始まっていました。
その両社の技術開発ニュースに一喜一憂していて、レコードが確実に終わると明言していました。
ほとんどの人が半信半疑だった印象があります。
当時はレコード針やカートリッジのデザイン、商品化がメインの仕事でした。
今も、そのときの商品・カートリッジは売られています。
欧米からLPのように両面タイプの試作が私の元にも届いていました。
CDプレーヤーのアドバンスデザインは東芝から依頼されていました。
当時こんなエピソードがあります。
CDは水平配置か垂直配置とすべきかということが、
プレーヤーデザインでは形態決定と実装設計の根本になります。
CDプレーヤーに関わっていたすべてのメーカーが「垂直・縦型」でした。
これは、フィリップス+ソニーの戦略でした。
したがって、CDが世界的に新発売になったとき、
フィリップス+ソニーは「水平配置」で競合企業を出し抜きました。
私は、アンプなど形態からも「水平配置」を提案していましたが、
ソニーに見事に裏切られた思い出が残っています。
これは後に、I氏と食事をしたとき、「それが狙いだった」という話を聞きました。
CD素材はポリカーボネイト=(この素材は今もWHOでは環境ホルモン懸念材料)であり、
スパッタリングでアルミを蒸着した簡便さゆえに私は経年変化のあるものとみています。
640MBから700MB 780nmの近赤外線レーザーで、
1.2Mbpsで74分42秒という収録時間は、開発由来の話が伝説となていまが、
私はこうしたメディア媒体の発明と進歩は、産業構造とぴったりと重なっていると判断しています。
CDは産業構造の象徴ゆえやがて終焉
つまり、このメディアの終焉を私自身には明確にみえています。
結局、このメディアは、資本主義経済産業構造の中での進化であり、
資本主義のいわば構造を象徴するとともに、終わりまで同様な象徴になると予測しています。


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