1月 23rd, 2017 Posted 12:00 AM
私は阪大を一度退官後、「寄附講座」で残って、
大きくは二つの領域で教育、研究、開発を連続させています。
一つは天災人災を念頭ににした実務デザイン開発と、
「KK塾」から今年度からは「KK適塾」という特に今年度は、
デザイン界直接に、「コンシリエンスデザイン講座」です。
デザイン界に向けてはこのところのデザイン盗作やデザイン界への大誤解を
なんとしても、デザインとは、いや「これがデザイン」を
「知恵ある最先端の問題解決・価値創出・未来産業創成」を意図しています。
第三回目の講師も選びに選びぬきました。
ある意味では、私は金沢美大で純粋培養されてきたデザイナーです。
今回の講師であるムラタチアキ氏は、大学では応用物理学から
家電系を経て実務的なデザイナーであり、デザイン教育者。
NOSIGNERと称しての太刀川氏はデザイン手法をさらに深化を狙った活動、
いづれも、既成デザインの破壊から新規デザインのあり方を求めています。
これは純粋培養されてきた私も同様に、絶対に伝統的なデザインでは無い、
新規デザイン、新規デザイナーのあるべきデザイン対象やデザイン領域を
なんとしても発見したいという「デザイン」であるからこそ、
常に「新しいデザインとはどうあるべきことか」とか、
「こうやっている行動がデザインを成し遂げている」という、
三人ともに共通項を持っていることです。
年上のデザイナーである私は、「コンシリエンスデザイン」や、
「遺伝子編集へのデザイン、基幹産業の導入」を彼らに語り伝え、
彼らは当然のこと、地域産業や伝統工芸にも深く関与しています。
結局、対談テーマは
「どのような教育をすればデザインが可能なるか」にいきつきました。
前回の講師をお願いした澄川氏、原田氏も参画をしてくれていました。
特に、太刀川氏とは講座を離れて「書」の話となり、
彼とは思いつきで「日本デザイナー書道?楽部」までを創りました。
次回は、東京藝大から2名のデザイナーと建築家を講師に選びました。
* staffblog 11月17日
* 『美学性を語れる講師を「KK適塾」は選ぶ』
* 『「KK適塾」は日本からのデザイン思想と実務の発信』
* 『イントロ画面を新作して「KK適塾」にした理由』
* 日本デザイナー書道?楽部
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10月 6th, 2013 Posted 12:00 AM
敗戦後、奇跡の復活と言われてきた日本企業は、
世界経済の中核どころか先導的な「企業経営」が認められました。
しかし、経済は景気と連動して、結局は二つの選択を強いました。
その一つが安定した大企業主義が産業界の牽引役です。
しかし、
経済動向、すなわち経営鬱病としての「不景気感」は停滞して、
企業制度は、生涯雇用のはずが派遣社員雇用で大企業病を発生。
それならと、いわゆるベンチャー企業は「情報化」社会で起業。
ところが、そのベンチャー企業自身が経営経験不足。
翻って、中小企業・地場産業・地域産業には「情報」経営力無し。
ベンチャー企業が1000社あっても30年後には2.8社です。
このサイクルの中で日本の産業全体が低迷している有様です。
新たな世界制度破綻は9.11で明確になってきました。
そうして、今度は3.11、日本の天災と人災は方向を喪失です。
不景気は、世界全体を経営基盤から突き落としています。
盟友である松岡正剛氏は、
「日本という方法」、「方法という日本」を提示してくれました。
しかし、水墨画技法に「経営配置」が画法にあるからだけでは、
全ての経営者は佇まざるをえないでしょう。
先般、米国で日本という方法と方法という日本で、
地道に「経営活動」をする人物に会いました。
なんのことはない、松岡正剛氏の薫陶で成長してきた人物は、
米国で活動をする中で、明らかに、「方法」と「日本」を
配置、すなわち「経営配置」を私に告げてくれました。
たった一言です。
「日本は負けるわけにはいかない、大企業は駄目になるけれど、
もっと、不甲斐ないベンチャー企業の整理です」と。
私は、今月23日、松岡正剛氏と対談講演でこの決着をと、
真剣に考えています。
欧米にも、まして、中韓、アジア諸国の先導にこそ、
「日本という方法」と「方法という日本」を伝えるつもりです。
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11月 19th, 2010 Posted 12:00 AM
場・産業の分類
私は地方の産業を次のように分類しています。
地域産業・地場産業・伝統産業・唯一産業です。
たとえば、自動車や建設機械などは地域産業です。
その地域が部品など担当領域を分担してその集大成として製品から商品を生み出している産業です。
地場産業というのは、すでにある製品アイテムが決まっていて、
その地域で商品が生み出されている産業です。木工産地やメガネや筆などがその実例です。
こうした産業は時代的な革新とが求められています。
そして伝統産業というのは、
その地域で何か素材が決定していて時代とともに素材加工で製品アイテムが変遷していく産業です。
伝統工芸はその一つです。漆工や紙漉などがあります。
あるいは、新潟の金属加工のように昔は釘づくりだった所が、
金属製品に変わっていった産業などは時代対応してきた伝統産業であり、
地場産業と呼んでもいいかもしれません。
また、唯一産業というのは、決定的にあるモノづくり企業が唯一残っていて、
世界でも、そこでしか製造・生産されていないという産業です。
楽器などは唯一産業でありその楽器づくりが他のモノづくりに拡張していったような所もあります。
分類による問題指摘
私は、なぜこうした分類が必要かというと、
地域産業はすべてが時代的な「革新性」を常に求められているからです。
こうした「モノづくり」地域・地場などと対照的な「場」です。
地方のいわゆる街・商店街「モノ売り」産業です。
商店街はすでにシャッター通りや、かっては駅前商店街と言われていた所が
決定的に見失っていることを比較する必要があると考えているからです。
たとえば、城下町や門前町、温泉町などの低迷は地方に拡大しています。
こうした「場の産業」活性化に、分類をして問題点を明確にする必要があります。
デザイン手法は、その場の産業問題解決をする大きな手段だと思っています。
こうした「場=街=地域、そして地方」に、
欠落しているのは「企業化」経営意識がまず必要だからです。
「企業化」とは、「人・モノ・金」の時代では無いことに気づくべきでしょう。
地方の産業、その分類からそれぞれの問題を捉え直すことが必要です。
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