8月 11th, 2013 Posted 12:00 AM
メガネフレームのデザインをしている私には、
瞳孔距離の設定と顔面から頭部周囲の適合化をねらって、
私のブランドでの製造企業とベンチャー・スカラ社で、
HMDは「スカウター」という名辞をして今も販売しています。
深夜のテレビ番組で紹介されて一時ヒットしました。
この造形であるプリズム反射が今も応用されているモノ、
グーグルグラスなどには大不満が残っています。
つまり、このプリズムと瞳孔距離設定は困難です。
この当時に、「ドライ・アイ」の問題が浮上しました。
モニターを見つめることで、目に負担がきているのは、
青色反応の生理現象以上に、角膜の乾燥が問題なことであり、
モニターの青色よりも、むしろ私は近赤外線の問題があります。
特に、モニターが「プラズマディスプレイ」は大問題が、
総務省も欧州からも問題視されていて、
その頃、欧州は日本からプラズマ輸出に規制をかけました。
結局、当時厳しく批判していた私までバッシングをうけましたが、
すでに、国内企業はすべてプラズマモニター生産は撤退しました。
この当時からすでに商品化してきた系譜を現在生かしています。
根本は、液晶や有機ELなどを光学系にどう実装するかでした。
ようやく、今進めている画像表示は実像と虚像の組み合わせです。
バーチャルとリアル画面を眼前に、
それも瞳孔距離はすべての人が異なっていますから、
位置選択ではなくて、自分の瞳孔距離を自己決定できるべきです。
そういう意味では、この商品化はある段階でしたが、
今でも、自分一人で十分にスマホにある映画は楽しめます。
そして、これもすべてがβチタン製ですが、
顔面装着性能は確実な設計にしています。
これもその当時に工学と光学と実装を眼球にメガネ化しました。
この経験は非常に大きかったと思います。
これまでのプレゼンテーション画面は、
明らかに未来を創出する「統合デザイン」の実例設計です。
こうした経験が、新たな「スカウター」デザインに繫がってます。
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9月 29th, 2012 Posted 12:00 AM
このブランドのグラフィックス表現力は一流です。
パリ本店で、一枚のシャツを見つけました。
私の大好きなクロッキータッチの素描画が描かれているシャツでした。
美大入学当時は、クロッキーは相当に鍛えられました。
だからたまらなく私の物欲に直線的に飛び込んできました。
そのシャツの素描画が、バッグの内面ファブリックにも使われました。
そのバッグは
英国鞄ブランドのグローブ・トロッターとのコラボ商品であり、
「ヴァルカン・ファイバー」と呼ばれる
伝統的な紙を多重層にした素材を
さらにこのブランド用に協同開発されたモノでした。
軽量さは格段に改良されていました。
そのバッグの内装生地にはシャツと同柄の素描が描かれていました。
もちろん、シャツと裏地は別生地でしたが、その接着あるいは圧着技術は、
このファイバー素材を見事に活かしていました。
このブランド組織においても、
シャツ部門とバッグ部門は異なっているはずです。
だから、ディレクターの存在を感じます。
このコラボ的な商品開発において、
自社ブランドのクロッキー描画グラフィックスを選んだことです。
つまり、ブランドは、モノづくりの根本的な理念を表現するには、
「何が、そのブランド表現の核心なのか」は、合議制ではありえず、
「一人の決定者」が必要だということです。
国内企業では、センス無き経営者の趣味趣向が優先され、
価値観は「好き・嫌い」だけでしかなく、
デザインを「たかがデザイン」としか見ていない経営者が
本当に日本は増殖し過ぎました。
エンジニア出身であろうが営業経験者であろうが、
その人の「ファッション性」を見るだけで、野暮ったい経営者が、
デザイン=ブランドの核心の決定者であっては企業は衰退するだけです。
私は、このバッグとシャツのグラフィックスの素描画を統一し、
このブランドが「馬具製造からのメーカー」であったことを
さりげなく表現する決定をしたことに注目しています。
日本のメーカーが「ブランド化」するには、
まず、経営者のデザインセンスそのものが大問題だと指摘しておきます。
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4月 16th, 2012 Posted 12:00 AM
日本のファイル、そのスタンダードです。
30年以上、ロングライフデザイン賞は最大で11回も認定。
国内企業ほとんどが使用しているキングジムのファイルです。
これも、
私の恩師・平野拓夫先生(元・金沢美術工芸大学学長)の作品です。
まだ先生が通産省の官僚だったとき、
特許庁の審議資料がまったく整理整頓されていなかったということです。
そこで、手作りでファイルを造り、
その直後にフリーランスデザイナーとして独立されました。
そこで、キングジムでの商品化ということになったということです。
しかし、いかにも当時らしいと思われるのは、
やはりデザイン料の設定が、
白いラベルの上の「正方形パターンという模様がデザイン」されている、
それだけだからという理由で半額になったということです。
まだまだ当時は「デザイン=模様」ということで、
ファイル構造やそのシステム的なモジュール=大きさなどは
全く認められないデザイン対価だったということです。
もうすでに30年以上のロングライフデザインだから、
ロイヤリティ契約だったら大変なデザイン料と思いきや、
当時は独立したばかりだったから、
その半額を即金でもらってしまったと今では笑って話してもらえました。
敗戦後、日本の高度経済成長での事務ワークには不可欠のモノであり、
それは今なお、
現代においても「スタンダード」ファイルといわれるデザインです。
門下生である私たちは、
常に事務ワークではこのファイルに見つめられて仕事をしています。
それはいつも先生の視線が傍にあるということです。
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