7月 16th, 2017 Posted 12:00 AM
New Yorkの友人から送られて来た携帯用のナイフ・フォークセットです。
さすがにデザインでここまで解決つけているというお手本だと思います。
私も携帯用にしようと様々なアイテムを常に考えていますが、
こういうデザインを見ると、この簡素さにはびっくりします。
そうか、この解決法があったんだと関心すらしてしまうのです。
現在、私には本当に難しいデザインテーマがミッションになっています。
論文を読んだり、世界にはまだ存在していないモノを発想しています。
時々、もっと日用品で簡単なモノがやりたい、とか思って、
(簡単なモノなど無いことは十分にわかってはいますが)
それこそ100円ショップに行くと、いわゆるアイディア商品に出会います。
もう驚愕するような超便利だと思う日用品や台所用品には、
これって市価の3分の一が原価だとしても、
ここまで出来ちゃうのか、とか思います。
それこそ「除染素材」を発想したり、
火蟻こそ深紫外線レーザーで滅却することが出来るかもしれない。
ともかく思いつくことが本当に増えてきています。
しかも今では3D-printerで、とりあえずの造形確認ができます。
かって、光造形で線には太さがあり、面には厚さがある。
だから、いわゆる点には大きさがあるからこそ、
カンデンスキーの「点・線・面」での
予知は正解ヒントを与えていたのです。
今ではデザイン審査をする立場ですが、
自分デザインを審査してもらいたいとか、
新しいデザインアワードの登場を見つけると応募したくなります。
かって今では大きなデザインアワードになりましたが、
遺伝子での検査システムは、日本代表にもなりましたが、
最終選考ではとても難しくて評価判断が出来ない、とか。
そうした審査が出来ない審査員でどうするのだろうと怒りさえ生まれます。
それだからデザインは時代を見失っていると思ったことしばしばです。
最近は製品デザインを提案してからも、
それが商品化されるスピードは、とても遅くなってきています。
これも時代風潮かなと思わざるをえません。
しかし、私は日本のモノづくりを堅持していくには、
絶対に提案したらすぐにプロジェクトが開始されるべきという
この考え方は変えないつもりです。
* 『「森羅万象悉く紙なり」とは神と死に直結している』
* 「易しそうなテーマだが難しそうなデザイン解」
* 『難問解決の大ヒントは「素材」開発デザインの美です』
* 「刃物・ナイフの基本の徹底基本」
* 『民藝の美とデザインの美は区分分別されていた』
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7月 6th, 2017 Posted 12:00 AM
毎年恒例になっている日本文具大賞、DESIGN TOKYO、そしてProto Lab、
これらの審査委員長として激務でした。
DESIGN TOKYOはグランプリを最終選考から、5点、それらの中で一点を
グランプリにしました。
ともかく、まず大まかに選別して驚いたのは、海外製がほとんどになります。
この傾向を今年度は、文具大賞でも、目の当たりにしたのです。
Bicというのは元々ボールペンで世界制覇をということで、
黄色と黒いキャップのボールペンが1960年代早々に商品化されました。(左)
ところが、その頃のボールペンは、
インクが出過ぎたり、洋服を汚すというモノでした。
だから、いわゆる100円ライターと呼ばれたBicのライターは、
とても鮮やかで、特にフランスではこれほど色彩豊富というほどでした。
今では禁煙もあってライターはすっかり主力商品ではなくなったのです。
そしてボールペンの進歩は著しく、欧州のデザイナー達はスケッチ用では、
とても今は評価があるのです。
大抵、世界先進国家では100円程度の
効能価値商品であり、性能、機能ともに優れたものに進化してきたのです。
ところが最近はノック式ボールペンとスタイラスペンがほぼ500円程度の
実際にも大変に優れたペンが登場。
さて、もう一方ではいわゆるスマートペンというノートに記せば、
Padにも手書きがしっかりとした書体表示、
このペンとノートそしてその下敷きが登場したのです。(右)
3 年前でしたが、私は、「やられた」と思ったくらいです。
ところが、1年後に実は日本がこのスマートペンのOEM供給元でした。
MonBrancという一流文具から時計・装飾品の商品です。
このスマートペン =デジタルペンがほぼ65000円程度なのです。
比して元々このOEMメーカー商品は12000円ほどです。
気づいてほしいのです。いわゆる情報化と結びついたペンが5倍するのです。
私は日本の文房具業界グランプリ発表表彰式で現物を掲げて説明しました。
それこそ情報化時代で海外は5倍の市価商品で、襲いかかってきていると。
家電がやられ、台所用品や雑貨、やがて車メーカーも厳しく市場から、
日本製は追い出されるという危険信号を文具業界、
さらには、DESIGN TOKYO出品業界にも伝えたのです。
そして、もう一つ大きなモノ、船舶業界も海外ブランドに襲われています。
■ 「日本文具大賞」
■ 「DESIGN TOKYO」
* 『海外製は情報化させる文具は5倍の価格で攻めてきた』
* 『iPadのスタイラスペンは徹底的に精査しています』
* 『電子ペン?電子版?、モバイルとの関係性は?』
* 『自分文房具の紹介をしながら語った取材でした』
* 『日本文具大賞の「機能部門」と「デザイン部門」って?』2016
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6月 2nd, 2017 Posted 12:00 AM
「流れに浮かぶうたかたの・・・」という、
人生の「うたかた」を鴨長明は、
「方丈記」で無常観の最たるレトリックに使っています。
このレトリックは、人生その生涯は「泡のごとく」守られているようで
一瞬に消えていくことを表現しています。
もはや私も方丈記が身に染みていく実感の日常です。
先般、飯舘村にて、除染の現実を直視してきました。
それは「セルロース戦略」の基幹産業化を考慮した一つの現場実験でした。
私の研究室ではこの実験や飯舘村検証のために招聘教授も一人参画。
私の直感では、泡フォームでの除染剤はある新素材での可能性を確信。
私のほぼこの確信性は確約事項になりました。
ここ10年程度でしょうか?
美肌のための洗顔は泡フォームの石鹸剤です。
泡については以前、洗剤とウレタンフォームでの台所用品で、
泡をいくつか実験をしその結果を商品化もしましたが、
母体企業が乗っ取られて商品化継続は中止されました。
一つは中国での100円ショップ商品でのコピーに敗北したからです。
これには知財権の問題が絡んでいます。
結局、中国のモノづくりは、全く知財権は不要とされています。
正直、「契約」による業務やデザイン対価の契約は、
日本人の商い慣習には見合っていませんが、
いわゆるグローバル化貿易では、知財権は重要課題です。
私自身、知財権には公的にも2008年頃から取り組んできました。
それは、無体財産権である著作権と、工業意匠権が中心です。
そういう意味ではこの世界にいわゆる今流行の忖度は無関係ですが、
私自身はパブリックドメイン、地球人の対価という一つの権力です。
最近は権力と行学の関係が狂っています。
しかし、日本人の生き方としては、
「夢のまた夢なり」とこの「うたかた」だと再認識しています。
それでも美白保持が洗顔フォームのごとく、
泡フォームの性能性は大きな機能性があります。
* 「泡・バブルって、やっぱり凄いんだって思います」
* 『100円ショップの明晰さと確実に連鎖する美知らず』
* 『知財権は意匠権によってコンシリエンスデザインとなる』
* 「知財権・意匠権改変の対象となった商品開発」
* 「未構築・非構築な『知財権』と制度設計」
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10月 31st, 2013 Posted 12:00 AM
デフレーションの象徴とまで言われる100円ショップ。
個人的に私はどうしてもプロの視点で商品を見てしまいます。
なんといっても「これがなぜ、100円で可能なのだろう?」と、
いつもデザイナーとして想い悩まされます。
また一方では、使い心地が決して悪い品物でもありません。
最近は、台所用品、文房具、洋装品など、まるで百貨店の品揃え。
私は、現代の若者たちはとても恵まれていると思います。
100円ショップの品物で十二分に日常生活は出来てしまいます。
今回は陶磁器品を詳細に検分しました。
<これが、いやこれで100円なのか!>と思ってしまいます。
陶芸家作品で、びっくりするほど高額なモノがあります。
一体、こうした廉価な品物と比べて見れば、
結局は「用」を成し遂げていることには何の差異もありません。
私が100円ショップの品物の「用」は認めることができても、
自分の日常生活には、容易く使えて自分なりの「納得」があれば、
それで充分に構わないとも思っています。しかし、
このような考え方には大きな反動が自分の中にはあります。
廉価という言葉は世情では摩擦の起こらない言葉ですが、
結局は「安物」にすぎません。
「安物」の「用」は充分に満たしても、それを自分自身の生活、
ということになればその「安物の用」が張り付くことはイヤです。
つまり、自分の存在に「安物性」が反映することは拒みます。
単純に、自分の生涯において「用」だけが賄えればいい時期、
そんな時期が自分にあったとしても、「美」を確認するうえでは、
やはり「美しいモノとともに生きれば、美しく死んでいく」。
岡倉天心のこの言葉を信じます。
私は自分の生涯においては、「用」と「美」に対しては、
やはり、自分の価値感においても、古窯産地、陶磁器メーカー、
日本各地にある陶磁器産地のモノからも、
「自分が充分に納得できる最高の美」を求める覚悟でいます。
無論、こうしたショップに有る品物の「安物性」で、
自分ならではの「価値感」を再確認できる楽しみは確実です。
100円ショップはある意味では、一つの楽しみにすぎません。
もはや、どこまで「これこそ!」と言うモノの「用と美」、
このことに包まれた日常の自分でありたいと思っています。
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10月 16th, 2012 Posted 12:00 AM
台所用品、浴室用品の地場産業といえば、
和歌山県海南市です。
「東の湘南、西の海南」、当時の市長の弁でした。
海南市で国際コンペの審査と
現地の「地場産業」に関わったことがあります。
徹底的な、ウレタン素材で「洗浄用スポンジ」の製品開発にのめり込み、
商品化もしました。とても高額商品でしたが高く評価されました。
しかし、素晴らしい素材の「スポンジ」は、
100円ショップの中国製には市場では完敗でした。
ただし、モノの性能・効能・機能は抜群だったと自負しています。
だから、その頃、同時に「トーラス亀の子束子」も開発してみましたが、
これは製品開発で終了せざるをえませんでした。
今、私は私自身の「乾燥肌対策」には、
あらためて、当時、様々な「泡づくり」と「泡性能調査」をしました。
だから、TV-CFで「洗顔用石けん」の泡立ちを見るたびに、
「泡」そのものの「泡立ち」の肌理の細かさが気になります。
それは、ボディソープからシャンプーに至るまで、
TV-CF画面の泡を見ながら、
「本当か?」とTVに向かって、話しかけてしまいます。
そして、学生にも、「正しいシャンプーの仕方」などを論じてしまいます。
つまり、「泡立ち」という性能は「肌をきれいにする」、
とても大事な手続きであることは間違いありません。
「綺麗」な泡立ちが、必要不可欠なわけです。
となれば、絶対に「泡立ち評論家」になるつもりで、
「泡」をじっくりと観察しています。
今、ブームで売れているシャンプーが、
本当に「正しい洗顔・正しい洗髪」ではないのです。
どれだけの肌理の細かさの「泡」=バブルかが大事です。
そのバブルで綺麗にするべきかが問題だということです。
結局、「バブル」ってのは、
やはり、何かしらスゴイ力があることは間違いありません。
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