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Posts Tagged ‘利休鼠’


『来年は「子』ゆえ「四十八茶百鼠」を見るのです』


   


     11月 27th, 2019  Posted 12:00 AM

来年の干支は「子」ということで、
鼠色もおおいに席巻するかもしれません。鼠色は灰色とも呼ばれます。
厳密に言えば異なりますが、
私はおおまか日常使いとしては同じと考えています。
日本のいわゆる和色には、日本人の決めた様々な色彩があります。
「四十八茶百鼠」で476色までが現代にも伝えられています。
私が30代に福井に戻った時、空の色はいつも鼠色を見ていましたが、
その時は、二つを発見しました。
私の色相や彩度、明度は、子供の時からどうしても
この空の元に育っているので
自分がつくる色ではその明度を上げることを意識しました。
それから、一番びっくりしたのは「利休鼠」の存在です。
それこそ、この「利休鼠」は背景色として、
画面での文字や写真を最適に表現することができるのです。
ちょうどカナダのトロントで訪れたデザインスタジオの
コンピュータのデスクトップや
プレゼの背景色に目に優しいということで、
この色が使用されていました。
来春の「子年」には、もっと鼠色を確かめたいと思います。


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『深緑色の画面・深緑から利休鼠』


   


     2月 16th, 2016  Posted 12:00 AM

今回の「KK塾」で私は画面表示・モニター基準色を紹介しました。
これはモニター設計、それもCRTから液晶ディバイスになってからも、
かねてシリコングラフィックス社とALIAS社でCG制作を見ていた時期、
その経験からのカラー表示を紹介したのです。
これにはいくつかの理由とその意味があります。
それは視覚的に安全なカラーと疲れないカラーがあるからと、
最近ではモニターからの青色が突出していて「ブルーライトカット」、
これがあたかも流行となっています。
100円ショップ商品の遮断メガネには、
大きな勘違いがあると思っているからです。
人間には可視光線というニュートンによって発見された
紫から赤色までの7色(白色人種では6色)の色環があります。
とりわけ、モニターからの色表示はすべて光=電磁波ですから、
これらが視覚的に害を成すかどうかはまだまだ研究の成果が必要です。
しかし、紫外線や近赤外線・遠赤外線は、可視光線を超えていますから、
有害なことは納得できます。
特に「ドライアイ」は角膜の三つの層に悪影響を与えていることは
立証されていますから、メガネは「ドライアイ対策」が必要です。
今回私は、深緑を提案しました、
といっても、
PC:Macからの出力もプロジェクターと一致していませんから、
基本的にはPANTONE®カラーのNo.7712から7720までを準備しました。
肝心なのは日本語で言うところの「深緑色」です。
この色をベースにしたときに、これがいわゆる鼠色系になると
これは「利休鼠」になっていくことことを知った時は
大きなショックでした。
しかもその「利休鼠」の色は北陸の初冬の曇天の空の色でした。
私がかつて液晶モニターからの近赤外線が持つ危険性を公表したときに、
あるメーカーは私を訴訟しようとすらしました。
しかし、その近赤外線は特にプラズマ画面からが多くて、
日本ではある省から危険勧告があり、
欧州からはその様式のモニター輸入は全面的に拒絶されたのです。
今、この画面色を私はワープロでの背景画面に使っています。


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