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Posts Tagged ‘企業家’


『乳牛は決して美味しいミルクを絞り出すわけではない』


   


     3月 18th, 2016  Posted 12:00 AM

「牛乳」はミルクです。
「乳牛」はミルクを出してくれる牛のことです。
「牛乳」はすべて美味いわけではありません。つまり、
「乳牛」だからと言って、美味しいミルクを出すわけではありません。
ともかく、乳牛のような職能という喩え話がとても可能です。
それこそ建築家やイラストレーター、グラフィックデザイナーを
まさしく乳牛とするなら、彼らは建築を建て、イラストを、グラフィックを
乳牛としてミルクにすることができます。
果たして、それが美味しいミルクかどうかは不明だと断言します。
ところが、
デザイン=ミルクを出すと思い込んでいるクライアントが多すぎます。
これが電車?これが美術館?このことにも気づかない?が氾濫しています。
乳牛のような職能からのミルクは、
あたかもミルクっぽく見えて、それなりの評価を受けます。
クライアントは大満足しているのです。
このようなまずいミルク=下手くそなデザインに大満足している、
そんなクライアント=企業家が増殖しているのは間違いありません。
40余年デザイナーとして、私は私なりの倫理観で自分のデザインを
それこそ
デザイン=美味しいミルクにするデザイナー=乳牛を目指しました。
だから、なぜそこまで自信たっぷりに、
「こんな不味いミルク=デザインを」、
「この程度のデザイナー=乳牛などいらない」と、
それこそ、断言を惜しまず、結果、喧嘩別れなど平気に生きてきました。
それは反面、自分のデザイン=ミルクを世界でトップに美味くする
自分に課した「使命」だったからです。
毎年、昨年はこれほど我慢したのだから、
今年は絶対に認めがたいモノ、コトには容赦なく断言するとか言うと、
周囲は、毎年そう言って生きているのだから、
何もそうまでして「敵をつくらず」とか言われます。
が、僕は我慢に我慢をしているのです。
 ・「正直」ということ
 ・「正眼の構え」ということ
これほど実際は苦しい生き方は無いことは確かです。
「ミルクはすべてが美味いわけではない」
「乳牛のような存在だから、美味しいミルクのような」
そんな結果のミルクのようなデザインはありえません。
こうした風潮に、
わが国は狂乱した情況にあることは書き残すべきでしょう。


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『資本主義からの逃走』
  「コスメティックデザインという付加価値」


   


     2月 19th, 2010  Posted 1:00 AM

Cosmetic Design
資本論的にいえば、「商品」の価値、
それも「付加価値」は、商品選別での欲望対象です。
したがって、デザイン=コスメティックとしての理解は、
資本家・企業家には好都合でした。
私は、美大の産業美術学科の工業デザイン専攻卒です。
しかし、大学時代に、デザインはコスメティックではない
ということを徹底的にたたきこまれました。
「付加価値論」の見直しも体に染みこんでいます。
ところが、インハウスデザイナーになると、
「意匠」=形態のお化粧程度にどれほど反抗しなければ
ならなかったことでしょうか。
それこそ、グッドデザイン審査委員長になっても、
デザイン系のキャリアが「付加価値」と言えば、
必ず、喧嘩を売ってました。
かなり正確な論理は、「嫌がられる存在」に、
今なお、なっています。
おかげで、「御用学者」ではありません。
御用学者を演じている教授も知っていますが。
全体価値
デザインは「全体価値」であり、
「価値」創出者の代表であるとさえ思っています。
金融資本・対・デザインの構図を明らかにするべきです。
むしろ、その使い分けは、中国や韓国は見事です。
「コスメティック価値」と「デザイン価値」の構図、
あるいは構造=関係性こそ、
今、デザイン先進国である日本が提示すべきと思います。
中国が、デザインを「設計」から「策略」や「資源」と、
書き直したのは、先んじられています。
たとえば、政治家もグランドデザインとマニフェストに
用語として多用しているのも、「付加価値論」ではなく、
明らかに「全体価値」です。
「全体価値」という茫漠さがマイナスだとも思っています。
さらに、「何?価値」=デザインなのか、ということの
決定打が不可欠です。
価値
「価値」=望ましさ+好ましさ、と考えれば、
「望ましさ」を希求し判断するのは、理性的評価です。
「好ましさ」を訴求し評価を求めるのは、感性判断です。
デザイン設計・策略・資源での「価値」設計は、
すでに、デザインの本質意味を、
わが国も再確認すべきだと考えます。
デザインが、産業の一手段ではありません。


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