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『資本主義からの逃走』
「情報・デザイン、その組み合わせが共時的な意味を深長」


   


     10月 25th, 2010  Posted 12:00 AM

形容詞的な不定法
「情報デザイン」はコンピューター登場初期の言葉、
だからあくまでもそれほど意味の深長さよりも、
形容詞的な不定法でのに決定語だったと思います。
私は「工業デザイン専攻」を卒業しています。
したがって、「工業デザイン」と同様なデザインへの形容詞的な用法用語と考えていいわけです。
ところが、同時期には、「環境デザイン」もデザインを詳細化する上で登場していました。
「映像デザイン」や「メディアデザイン」などもデザイン実務において、
さらに専門化を推し進める領域とされたのです。
環境・映像・メディアなどなどは、明確にに名詞と名詞によって新たな概念を派生させることで、
その専門的な内容の強化をめざしたものだったと評価していいでしょう。
ところが、デザイン環境・デザイン映像・デザインメディアという領域設定語は、
かりそめにも教育機関での分野表現語にはなっていません。
ここがひとつの見極めになるものと考えています。
そして、特に「環境デザイン」は、環境の定義性をデザインから追い求めると、
従来の建築領域に行き着き、さらにその拡大や焦点化には行き着いていません。
曖昧な「建築領域の拡大」にしかなっていないことは残念なことです。
「環境デザイン」ほどデザイン界でもまだその専門性は曖昧なままと断言しておきます。
情報(名詞)+デザイン(名詞・動詞)
情報(名詞)+デザイン(名詞・動詞)が、
デザイン(動詞)+情報(名詞)=デザイン情報としていく意味は、
情報をターゲットに、
デザイン営為・職能・実務の対象化とした意義に注目しなければならないと考えます。
あえて言うなら、なぜ「デザイン環境学科」なりが生まれていないのでしょうか。
これは「情報デザイン」と「デザイン情報」があるように、
情報の時代的な意味・意義の文脈変容と共時性と共有性がデザイン、
特に実務性との関係が、二つの呼称には有効性があるからでしょう。


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『資本主義からの逃走』
    「『情報デザイン』と『デザイン情報』の差異性 」


   


     10月 23rd, 2010  Posted 12:00 AM

名詞と名詞の結合
日本語には名詞と名詞の結合があります。
これを英語で表現すると、英語的には誤りになります。
しかしあえて新英語によって意味の詳細化と
強調化が容認されることがあります。
不定詞的な用法と考えることができます。
英語でも、革新性をねらった概念の提案では、こうした新語を術語として登場させることで、
新たで、知識科学を進化させる手法の一つです。
私が制度用語として関与したものには、
エコロジーデザイン=ecology designというのがあります。本来ならecological designですが、
あえて名詞+名詞にしたのは、ecological design=環境的なデザインというより、
環境に対するデザイン、環境とデザインの構造化ということで、
エコロジーデザイン賞というのを設定したことがあります。
これにはもっと政策的政治的な背景(海外との関係)もありました。
いづれ書き残したいと思っています。
「情報デザイン」と「デザイン情報」
さて、「情報デザイン」と「デザイン情報」は、
デザイン=名詞・動詞+情報=名詞が前後するだけです。
しかし、私は意味の再編化があり、それは意味の変容性を恣意的にしているのだと考えています。
これは意味に明確な差異性をもたらしていると判断することができます。
名詞不定詞的な用法での意味再編
次のような5つの解釈をしておきます。

    1■ 形容詞的に名詞(決定語)とする
    2■ 名詞と名詞によって新たな概念を派生し意味内実を強化
    3■ 動詞+名詞=名詞を対象とした動詞概念を明確化
    4■ 名詞+動詞=対象概念への動詞目的を強調する
    5■ 記号論=道元の現成公案的な新たな意味概念の象徴化

不定法の言葉の上乗性
私は、デザインという営為あるいは職能にとって、
デザイン価値、あるいは価値デザインでは、
この名詞の上乗性(=優れて勝っていることの証左)言葉使いは、
デザイン内容を概念的に強化していく一つの手法であると提案しておきます。
言語学的には、ヨーロッパ諸国語でのいわゆる不定詞用法や不定法に近傍しています。
前記5つの詳細から、「デザイン情報空間」と「情報デザイン空間」、
その詳細な定義性へと発展させていくことが観えてくることを読者諸兄に期待します。


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