kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘ポストモダニズム’


『資本主義からの逃走』
    「小さな空間としてのローカル」


   


     10月 17th, 2010  Posted 12:00 AM

小さな空間
マルキストとして著名なリオタールは、
「大きな物語」と「小さな物語」を歴史論から、
ポストモダニズムの提言にしたことはもう忘却されているでしょう。
私は、この分析・解釈、そして新しい時代づくりへの思索的考察が、
耳鳴りになっているのかも知れません。
しかも、反マルキストですから、かえって彼に囚われているのでしょう。
そこで、今、瀕死的な状況にある地方都市の再活性化を、
東京=大きな空間との対比も、この耳鳴りの質が変化する気がしています。
しかも、東京が小さな空間になりつつあることも自覚しなければなりません。
なぜなら、国際的には、気づいたら東京はローカルになりつつあります。
ソウルがあり、上海があり、マレーシアがあり、シンガポールが大きな空間になってきました。
だから、私はことさらに「小さな空間」から再出発です。
その高密度性能、充実した機能、確約された効能をデザインし直すことが、
もっとも大事だと意識しています。
ローカル「越前市」を変える
私が、小学校高学年、中学時代をすごした街、
「越前市」=武生市+今立町の合併)に、デザイナーとして、ここで育った人間として、
「ローカル」の再興を伝えたいと帰省しました。
「0.5次産業化up」
一次産業はすでの1500人、二次産業は19000人、三次産業は24000人、
このデータを見ながら「小さな空間」の近未来産業をデザイナーとして提案したいと思います。
簡潔に、結論は一次、二次、三次を0.5次産業化upしていく具体デザインです。
それは街の伝統文化を「大きな物語り」にする方法を、まずは発想しようということになりました。
一つは、「情報」での価値性アップです。
それは私が取り組み始めたアンビエントアライアンス=ロボット+原子力+情報を視覚化します。
そうすることで、 I see ! とみんなが参画してくれるデザインアイディアだと考え着きました。
これから、この具現化の活動を開始するでしょう。


目次を見る

『資本主義からの逃走』
  「大きな空間と小さな空間・ポストモダニズム不要」


   


     10月 16th, 2010  Posted 12:00 AM

「物語り空間」
現代、「空間」の設定は多様に可能です。
私は「物語り空間」ということを設定してみます。
これは多分「大きな物語」と「小さな物語」になぞらえた想いです。
「大きな空間」は地球という空間・グローバルな空間であり、
「小さな空間」は故郷という空間・ローカルな空間です。
幸運にも私には、故郷・北陸に福井県という生まれ故郷空間・小さな空間を持っています。
私は、「大きな空間」と「小さな空間」を対比して考えることのできる次元的な空間論者です。
万一、この対比する空間を持ち得ることができないとするなら、それは不運だと思います。
それこそ、産業経済や政治が対象としている「空間」は都市空間であり、
グローバルに国際空間での資本主義的な「富の獲得・分配・蓄積、そして再配分」に、
経済と政治は呪縛されている不運さは不幸さにまで結びついているということです。
産業・経済・政治から離脱するデザイン
このブログタイトルそのままに表現すれば、資本主義からの逃走というのは、
このグローバル性・国際空間の空間認識、その次元性です。
次元性というのは、経済単位と政治単位からの離脱を私は意図しています。
だからといって、古典的な「無政府状態の国際空間」ではありません。
私の意図の核心は、「大きな空間」・「小さな空間」=グローバル空間とローカル空間を、
産業・経済・政治から離脱するデザイン=創造です。それを求めていくには、
「小さな空間」=ローカルの伝統と文化、取り巻いている自然空間が出発点だということです。
ポストモダニズムからの離脱・やや古くさいが
今、地球環境の保全性や自然環境という自然空間、その破壊の修復がそのまま、
人類の存続に直結していることはすでに私たちは熟知しています。
しかし、ローカルの伝統と文化が蓄積されている「小さな空間」から、
「大きな空間」・グローバルを救済する方法論を見つけ出しているわけではありません。
私は、「小さな空間」が次第次第に拡張や拡大し、
あるいは無限に「大きな空間」になっていくという想像力を大切にしたいと思うのです。
多分、「大きな物語りと小さな物語り」と言えば、リオタールを思いうかべるでしょう。
しかも、彼はマルキストです。
なおさらのこと、「大きな空間」と「小さな空間」は、
ポストモダニズムからの離脱をも私は狙っています。


目次を見る