『資本主義からの逃走』
*「酒とタバコとゆで卵」*
10月 10th, 2010 Posted 12:00 AM
Flag, Mother, and Apple pie
「Flag, Mother, and Apple pie」というフレーズ。
これは、アメリカ人の誓いの言葉と言われています。
国旗とお母さんとアップルパイ、これらが米国への愛国であり、
自分存在の自愛から他愛への決意だということです。
私は、一人っ子でした。だから、私が米国風のフレーズを「父」に向けると、
「酒とタバコと、そしてゆで卵」になります。
お酒は、高校に入るともうOKでした。ただし、夕食時に父の相手をさせられました。
まず、ウィスキーのオンザロックでした。決して水割りは飲むなと教えられたのです。
Ballantine’s 17
そして、「バランタイン17年」でした。
父は、ともかくウィスキーはそれなりのモノでなければいけないということで、
私への酒に対する鍛え方をしてくれたのだと思っています。
最初は、「こんなものが美味いわけがない」とすら思いました。
幸い、父方も母方も酒は上戸系で、まったく「強い家系」でした。
美大に進学して、酒に強かったことは幸運でした。
Rothmans
タバコは浪人時代に、母がチョコレートを汽車の中でと手渡してくれるとき、
父は「もう、コレにしろ」と18歳でOKでした。これも、「ロスマンズ」でした。
「ただし、タバコをやるなら洋モク(外国タバコ)で、
就職するまでは国産、時々、これは買ってやる」ということでした。
そして、何かというと父はゆで卵をつくって、これを二個持っていれば、
空腹でも2日は大丈夫とか訳のわからないことを言っていましたが、
「ゆで卵は、ごちそうなんだ」というのが口癖でした。
ウィスキーは「バランタイン30年」をいつかはと思いつつ、
「バランタイン・ファイネスト200ml」は出張には必ず持ち歩いていたものです。
就職してからは「ロスマンズ」を、
喫煙どころか、自分がデザインした音響製品のカタログには必ず演出小物にしました。
当時のカタログはヤフーで手に入れています。確実にこのタバコが演出品に写っています。
しかし、車イスになってからは
「酒・ビール」はもちろん「ウィスキー」も美味いと思わなくなりました。
しかも心臓病になってからは、すっかりとやめました。
タバコはなかなかやめられず、「シンプトンズ・禁断症状」という灰皿までデザインしましたが、
心臓病でいっぺんにやめることができました。
海外空港の免税店で、ウィスキーそれぞれの銘柄を見ると父なりのそれぞれの評価を思い出します。父は、晩年は「バランタイン30年」でした。
タバコは父はまったく吸っていなかったので、もらい物を私にくれていたのでした。
ところで、ゆで卵は今なお大好物です。
「酒とたばこ、そしてゆで卵」は、父との思い出であり、
父から教えられた色んなことの象徴です。
70歳になったら
最近、もう心臓のこともありますが、「バランタイン」を飲みたくなります。
さらには、ウォッカの「ニコラシカ(本来はブランデーベースのカクテル)」風に、
レモン一片とわずかの砂糖で飲みきる、そんな夢をみることがあります。
70歳まで生きられたなら、バランタインや葉巻これも銘柄決めてますが、
絶対に楽しみたいと願っています。
おそらく銀髪に近い白髪になることも祖父のようになれそうで楽しみです。
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