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Posts Tagged ‘デザイン高度化事業’


「資本主義からの逃走」
 「企業イメージはブランド戦略かC.I.戦略か」


   


     2月 9th, 2011  Posted 12:00 AM

存在イメージ戦略
世界的な不況感の中に囚われている企業。
その企業の存在性のイメージが浮動しています。
この浮動原因を見極めておくべきでしょう。その一つをメモします。
バブル時代には、C.I.ブームがありました。
企業が、存在イメージをC.I.デザインに求めました。
どれだけ多くの企業が、マークやロゴのデザイン変更をしたことでしょうか。
C.I.デザインというのは「コーポレートアイデンティフィケーション」ということで、
特にビジュアルデザインの統一性が競われました。不成功企業がいっぱいありました。
それは社長交代でマークやロゴが変更するということも一因でした。
JALなどもどれだけデザイン投資したのでしょうか。
どれも「失敗要因・拒否記号」というのが私の評価です。
最近は、かっての「鶴マーク」にもどされました。これもさらにブラシュアップが必要でしょう。
私はこれがC.I.なのかブランド戦略なのかが不明であることをプロとして観察しています。
最近、地方行政では「デザイン戦略というよりブランド戦略」という話を聞いて、
「なぜ?」って問い返すと、「ブランドというキーワードだと補助金がもらえるんです」とのこと。
大間違いです。
要は、C.I.戦略なのかブランド戦略なのかが不理解なまま、
そのような曖昧なデザイン高度化事業になっていることです。
書店では、「ブランド戦略本」ばかり見かけます。
立ち読みすると、デザインまったくわからずの著者が声高な文章で煽っています。
ブランド戦略
「ブランド戦略を」という依頼を受けることがあります。
私は、その前にビジュアルC.I.があまりに不整備なところには、
C.I.の解説から始めますが、理解できない担当者・経営者に唖然とするのです。
「ブランドって何ですか」と尋ね返します。
ほとんど正解は返ってきません。無論、すでに企業C.I.デザインなどは忘れられています。
企業というのは「社会的な存在性」が認知されてこそ経営ができるわけです。
だから、まず、アイデンティティを完備しなければ、ブランド構築などはありえないのです。
ブランドの原意
「ブランド」と飼育牛に「焼き印」を押すことが原意です。
この牛は、私が管理し育成しているという目印です。
だから、企業あるいは商品に「焼き印」目印がブランドのことであり、
それはC.I.というアイデンティフィケーションが不可欠です。
まず、ビジュアルデザインで整っていなければ「ブランド」構築には入れないわけです。
今、わが国のアイデンティが不明になっています。
したがって、「日本ブランド」の構築は不能だということを知るべきでしょう。
「日本ブランド」は「Made in Japan」で語り直せます。
ただし、「Made in Japan」のアイデンフィケーションをリスタラクチャリングが必要です。


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『資本主義からの逃走』
 「デザインは『付加』するものではないということ・1」


   


     7月 19th, 2010  Posted 12:00 AM

デザイン価値
大企業でのデザイン活動と、
地場産業や伝統工芸産地でのデザイン活動の大きな違いは、
「デザイン価値」の認識です。
国内の大企業は、かえって、「デザイン」によって「付加価値」が上がる、
と単純に思っている所が多いと私は思っています。
つまり、経営者は「デザイン」を装飾程度のものと思い込んでいる人が多い、
これは私の体験です。特に、サラリーマン社長に多いというのが経験値です。
デザイン部門への依頼は「外観・意匠設計」、これは「装飾」にすぎないと考えているのです。
現代、いや最近はますます、この程度の経営者ばかりになっています。
それが日本の「モノづくり」の質、その低下に拍車をかけています。
むしろ、地場産業や伝統工芸産地にとって、
カタカナである「デザイン」は、
その本質を「モノづくり」の根本で語り合えば理解は深まるというのが、
もう一つの私の体験です。
さて、越前打刃物に飛び込んだ私の「伝統」と「刃物」に、
私はデザインを突きつけたことになりました。
それは、デザイン価値を伝統と刃物、
そのモノづくりの根本を革新するというまずは意気込みでした。
この意気込みや覚悟を、職人さん達に理解してもらわなくてはなりませんでした。
ところが、すでに産地活性化は、
「地方活性化政策=国家行政政策」として幾たびか試みられていたのです。
結論は、産地は「デザインに失望」していました。
理由は簡単です。
行政も、デザイナーの高名な先輩たち自身が、
「デザインという付加価値」が欠落しているということで、
製品開発をしても、東京で展覧会をやればそれで「行政指導」なるものは終わりだったのです。この事態は今も改善はされていません。
その結果、「デザイン高度化事業」の成功例は皆無と言っていいでしょう。
その事例をどれだけ多くみてきたことでしょうか。
だから、「デザイン行政」は根本から変革する必要があります。
この戦略は別稿とします。
私は三つの戦略方針を掲げました。
■「伝統」=伝統技や素材に対するデザイン
■「技術」=手づくりの継承に対するデザイン
■「情報」=産地物語に対するデザイン/
これらを統合化すれば、伝統産地の「情報化」と「製品価値」の結合です。
すなわち、これこそ、innovationであり、
伝統産地の物語情報戦略、そのデザインということでした。
すでに30年前の話ですが、
このデザイン手法は、現在も「方向づけ」として正確だと確信しています。
なぜなら、これがデザインの本質だからです。
この本質論は、「モデル化」することができます。
すなわち、「デザイン価値の定義論」だと認識しています。
デザイン価値=脱工業化であり、情報化=物語構造論へ価値論を持ち込むことになります。


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