『「瞬間から瞬感」の連鎖と停止を製品開発に向ける』
4月 2nd, 2014 Posted 12:00 AM
「瞬間」を最初に考えついた人物はプラトンであるらしいのです。
確かに、飛んでいる矢の一瞬一瞬を停止していると見なして、
それが、力学、微分と積分の考え方を生みました。
微分積分は動きの停止点の最小を無限に追いかけています。
無限そのものの感覚へ自分を近づける唯一の方法なのでしょう。
つまり、この考え方は、生死と動止という矛盾を包括しています。
生まれることは死んでいくこと。
動いていることは止まっていること。
このことこそ、実はアポリアの本質だと思ってきました。
そこで、この「瞬間」を製品に、やがて商品に、と考えています。
それが私のデザインするどの商品分野になっていくかは、
多分、モノを見つめる瞬間であり、瞬きそのものの感覚です。
私は、見つめるという行為は、確かにジーッと見入る感覚ですが、
本当は、いや真実は「瞬き」の一瞬に視覚に飛び込んできたこと。
「瞬き」に、最終のコミュニケーションがあります。
もし、しゃべれなくなったら、
声を使う事が出来なくなったら、
おそらく、私は瞬くことだけが人間には残っているはずです。
だから、死んでいくために生きているのに、
動いているというのは停止していることが連続しているのに、
こうした矛盾を一瞬にして瞬きの瞬間にしか確認できないのです。
結局、私の人生、いや人間の人生そのものが「瞬間」でした。
生きていくことが死んでいくのにという矛盾だらけゆえにこそ、
瞬間をどれだけ確認できるかがアポリアの無限さを知るのです。
しかも、瞬間は瞬く一瞬ゆえに認識さえ不可能なのでしょう。
私は、この人生の「瞬間」を「瞬感」として受け止めます。
この受け止めた「瞬感」のシンボルを創りたいと思っています。
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Posted in 企望を「までい」具現へ, 危機解決をめざすデザイン実務, 祈望から企望へ
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