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『出版を「モノのデザイン」にしていくために』


   


     5月 25th, 2014  Posted 12:00 AM

モノが出来る=商品化されると嬉しくてたまりません。
だからやはり書き残しておきます。
製品開発としての出版をじっくりと自分領域で考えてきました。
今では、中国でとても安易な出版が氾濫してきています。
いわゆる作家として、美術家・建築家・デザイナーなどの、
作品集、その装丁を見ると、作品と同等な仕上がりは必然です。
しかし、作品が出版されるなら、出版製品としては、
日本の出版市場のこともあってか、もの凄く貧相になっています。
このような製本でよく満足できるものだと私は信じられません。
私はなんとしてもそれだけはプロとしてデザイナーとして、
絶対に新たな手法やそのための新治具、新器具までが必要でした。
発泡インキ印刷は、その膨らみの経年性はまだまだです。
乾燥をさせて多重のインク重ねでの輝きが必要です。
書籍函はその組み立てからも正確な仕上がりが失われています。
書籍専門家ならスピンといわれる栞ひもも二本必要でした。
さらに、3D写真は最近はとても進化してきましたが、
その3D写真についても、幾たびもテストをしました。
ところがこれを表紙それも布貼りに落とし込み圧着が問題でした。
表紙裏に大きな影響が出てしまうこと、
写真圧着の温度と接着剤に経年変化が起こらないこと、
書籍函との密接性も最近はいい加減ですが、私には無理でした。
しかも、書籍のカラー印刷インキと紙質指定も、
すべてが生産原価にひっかかりました。
私のモノづくりは、当然、儲けていただきたいのですが、
モノの本当の良さを表現するにはコストはかかりますし、
かかり過ぎてしまうことは否めません。
どうしても手造りでの精度を求めてしまって、
配本が遅れていることをお詫びします。
でも、書籍づくりの「手本」を目指したことは自負しています。

『やっと4冊目の作品集が出来上がった!』


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