『資本主義から逃走せよ!』 金融工学の始祖はマルクスだった_10
3月 27th, 2009 Posted 8:13 PM
「所有観」と「使用観」という二極分類を融解してみたいと思います。
「四句分別」のMATRIXに「使用」と「所有」の二極を配置してみましょう。
それは、「使用中心の所有意識」と「所有中心の使用意識」という領域が、
必ず、意識上に存在していることになるのです。
これが、東洋的というか、日本的な融合感覚ではないでしょうか。
この「分別」こそ、現世公案的な悟りへのアプローチとなっていたのです。
現在、この日本的感覚が押しつぶされてきたことを思い出す必要があると私は考えています。
乱暴な言い方をしておきます。
つまり、1970年代初めに、「脱・工業化社会」、「ポストモダン」、
そして「意識化社会」という予測論が出てきました。
これは、「情報化時代」、「情報社会」が到来することの確約された予測論だったのです。
しかし、その内実が構造化される外因は
すべからくオイルマネーによる金融支配構造に資本主義そのものが、
まだまだ進展していくという幻想、いや妄想が生まれてしまったのです。
具体的には、私はデザイナーとして二つの現実を見てきました。
石油文明をあくまでも維持しようという石油資本家たちの支配構造から脱出できませんでした。
これを裏打ちする事件も歴史的な事実となっていくのです。
この指摘はいづれ書き残すつもりでいます。
とりあえずまずは、「電気自動車の開発と実現」がずーっと拒絶する
大きな支配的な政治力が温存されていたということです。
そこにコンピューターやネットワークという技術革新=イノベーションが覆い被さってくるのです。
「イノベーション」は、オーストリア出身のJ.A.シュンペーターが、この言葉を提示しました。
さらには、「資本主義の崩壊」までの思想を登場しているのです。
このことについては、いづれ後述してまとめておく必要があるでしょう。
そして、これは、コンピューターテクノロジーあるいはインフォメーションテクノロジーによって、
そして資本主義が強化されたがゆえに、この妄想が正当化されたものと判断せざるをえません。
即、1973年にはオイルショックによって、この妄想が一時叩きのめされました。
けれども、この当時のコンピューターはまだまだマシンの段階でした。
ところが、コンピューターがパーソナル化する時代に入ります。1980年初頭です。
それこそ、資本が金融というシステムの中で、
ますます専門家だけが制御できるネットワークになっていくことにつながります。
と同時に、それは「グローバル化情報社会」として、
先進国家にのみ、その資本財の配分、つまり「富の分配」という構造社会になっていくわけです。
この「富の分配」には、
「所有観」と「使用観」が融解して二極性が崩壊していくと言ってもいいでしょう。
私は、これをMATRIXからMANDALAへと変容してきたのだと評価しています。
MANDALAとは、正式には「金剛界曼荼羅図象」です。
この図象に描かれた仏像図とそれぞれの仏像の意味性を私は詳細に語るべきだとさえ思っています。
ここではあくまでも「所有」と「使用」の二極を
多様的な意味を集約するためにMANDALAを応用します。
Tags: DESIGN, イノベーション, マトリックス, 曼荼羅, 経済学
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