7月 1st, 2012 Posted 12:00 AM
オランダ・フランドル地方に画家がいました。
その画家はピーテル・ブリューゲルです。
彼はその当時のルネッサンス華々しさを多分知らずに、
一般的には「農民生活を描いた画家」として有名です。
ところが彼の絵画には多くの障がい者が描かれています。
彼の描写力はほとんど写真的な写実正確性があります。
だから、障がい者はいっぱい存在していたと思います。
当時はそんな彼らを周囲はどう見護ってたのでしょう。
16世紀中頃です。
ただ、彼の絵は多分、そうした人たちの存在を、
ある種の教訓的な意味もあったという解説も見かけます。
しかし、私は人間には全ての人には、
外観の差異性が多様であることを描き分けたのでしょう。
それは、彼の農民生活を描いていた視線、
彼の眼差しの方向を詳細に見れば分かってくることです。
たとえば、農民の結婚式情景は、
どの方向から画面設定をしていたのかなどが実例です。
彼の障がい者を描いた絵を追いかけたメモを残します。
さて、この絵画にはどれだけ多くの、
どのような障害を持っていた人物がいるか、
確認をして下さい。
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3月 12th, 2012 Posted 12:00 AM
お茶なら、一般的には焙じ茶と番茶があります。
私は金沢美大時代に、加賀棒茶に出会い、
それ以来、日常のお茶は加賀棒茶です。
そしてそのお茶碗は、私が最も信頼している陶芸作家、
若尾利貞先生からいただいた鼠志野です。
おそらく岐阜県の美濃産地は
日本で最も陶磁器技術を集約した産地だと私は思っています。
若尾先生との出会いは、
NHKの「作家を訪ねる」という企画で出会いました。
当初私は、陶芸家には独特のトラウマがあって
このインタビュー役を断りました。
そうしたら、若尾先生も、
デザイナーで大学人ということで断られたらしいのです。
それだけに番組の若いディレクターは、
なんとしても会わせることが収録効果になると思ったとか。
ともかく、美濃に出かけ先生のアトリエである先生の窯を訪ねました。
色々話をしているうちに、お互いの美学性が一致してそれ以後、
すっかり先生と打ち解け合いました。
そして先生から、このお茶碗をプレゼントしていただきました。
鼠志野の技術を復活されて、
その評価は国内ではなくて海外で認められました。
それで日本でも陶芸作家として
トップランクの先生になられたという経歴です。
鼠志野は陶器ゆえに「貫入」があります。
「貫入」とは素地と釉薬の焼成と冷却の収縮率差で
陶器の使い始めには水漏れがしますが、
使い込んでいくうちに目地は埋まり
使いこなしそのものが陶器の味わいになります。
この茶碗はおそらく私の形見になる愛用品です。
そして、鼠志野から学んだことが
私の陶磁器への基礎的な知識になっています。
私は、素地である粘土、焼成、釉薬はもとより、
この「貫入」を技術進化させたいと考えています。
いつも日常生活での「一服のお茶」に和まされますが、
それを支えてくれる「器」こそ、
デザイン対象化していくモノへの基本的な眼差しだと思います。
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