はたして
ロシア･アバンギャルドの
夢は蘇るのか、
それとも、
抹殺または
自殺を強要された
アーティストや
デザイナーの亡霊が
怨念を引きずるのか。

が、
ようやく革命から
今日までの
70年という月日が
その封印を解いた。

「新しい形態を!」、
と絶叫した
マヤコフスキーの号泣は
途絶えることがなかった。

あたかも、
マレーヴィチの
「黒い十字形」が
その後の作家たちの
運命を予知していたのか。

そうした革新的造形言語は、
新しい生活の招来を
生産主義に目論み
祈念したものにも
かかわらず、
表現者たちの活動は
粛清され
封じ込められてしまった。

20世紀の出発は、
その最前線で
革命と民衆の結束を、
過去の否定と
伝統への決別の決意として
純粋な形態の
裸形と素子を選んだ。

そこで、
デザインの起源を、
ひとまず生活のなかに
芸術の意義を革命として
志したあの
ロシア･アバンギャルドに
置くことで、
昨今の世界的事件の
意味するところをとらえ、
今後への展望、
すなわち
デザインを
計画のための計画、
忘れ去られたことば
「始計」に求めてみたい。

悲観的になってしまえば、
明日への
理想も夢も
自らが閉じ込め、
結果、
自己喪失は免れない。

それゆえに
楽観的であろうとすれば、
問題解決を先送りし
その責任回避を
隠匿せんがための
自己演出を余儀なくされる。

現代の
さまざまな社会事件と
事象は、
その因果を
見極めるには
あまりにも多義的であり、
予知不可能であり、
問題は大きく膨大である。