6月 3rd, 2010 Posted 12:01 AM
古くなったキーワードを
私が現代をとらえているキーワードのいくつかを挙げてきました。
私はその代表例に「福祉」と「機械」をあげます。
機械
今夜は「機械」です。
「機械」という言葉は日本語としては歴史的に、一度、変更しました。
最初は「器械」でした。
「器」と「械」です。
理由は単純です。
文明論から見れば、文明への動機づけは「飢えと寒さ」です。
「飢え」に対しては、「器」というモノが必要でした。
その器から機となったのは、
今度は「寒さ」から身を護る機織りでの布が必要だったということです。
「器械」が「機械」へという変更は、機械の5大要素に関わってきます。
それは「械」という言葉が介在していることです。
この言葉は「武器」を表しています。
ということは、もう「機械」ではなくて「機器」が、
言葉としても美しいと思ってきました。
私自身、「機械工学専攻」という学科に席を置いていますが、
もう「機器工学」という言葉だと思っているわけです。
実際は、「機械」というイメージと「機器」という印象は異なります。
電子機械ではなくて、電子機器です。
ところが、通信機械という言葉ではなくて、この領域は通信機器でした。
通信機器は、実際的には「武器」ではないからです。
無論、戦争にとって通信機器は武器のようなものですが、
決して機械あつかいではなくて機器扱いだったことに注目するべきだと考えます。
新たな言葉の選定
いちいち、これまでの日本語ひとつひとつを引き出して思考しているこの執念は、
やはり、「言葉」の選択が、
概念と観念から、その意味にある種の枠組みや意味の限定を行ってしまうからです。
デザインにとって、コンセプト・概念・アイディア・観念・分別・センスなどは、
この限定された意味に呪縛される可能性があるからです。
「機械工学」は「機器工学」になってこそ、
あらためて、
人間ー機械=マン・マシンシステムの時代を終えることができると考えます。
私が取り組んでいる「人工臓器デザイン」というのは、
人工臓器的機械ではありません。
人工臓器的機器なのです。
「機械」という言葉から離脱すれば、
機械としてのロボットで無くて、
機器としてのロボットが必ず見えてくる、という確信が私にはあります。
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11月 8th, 2009 Posted 8:10 AM
「100匹目の猿」現象を知っていますか。
私は、かなり真剣に信じていた時期があります。
しかしこれは、
ライアル・ワトソン のメタファー創作だったのです。
そして彼も、この釈明をしています。
それでも、私は「感覚的に」は、
ある種の「共時現象」という見方が可能かも知れない、
と今でも思っているのです。
理由は、簡単です。
デザインのためのアイディアは、
「共時性」がかなり起こりうることがあるものです。
特に、自分が発想していて実現が遅れた時など、
私は決して「真似などしていない」!
オリジナルだけど、先行したアイディアが出れば、
デザインを世に発表することはできません。
どうしてこのような話を持ち出したかというと、
ロシア・アバンギャルドの時代に、「共時的」に、
日本では、柳宗悦の「民芸運動」が
1926年から起こります。
ロシア・アバンギャルドと同時期です。
これは、まったく共時現象だと思うのです。
民芸が、民衆をめざしての創造活動であり、
ロシア・アバンギャルドも、
民衆のために、ナロード・ニキだったのです。
私は、
柳宗理(柳宗悦・長男)先生が恩師でしたので、
美大時代にその薫陶を受けています。
「美は、
ゲマインシャフトによってのみ創出される」
というのが、
デザイナー志望時にインプリンティングされています。
したがって、
ゲゼルシャフトではなくて、
なぜ、ゲマインシャフトなのか、ということは、
実は、レヴィ=ストロースの
「・・・完璧な仕事を完遂することが出来るのは、
田舎者と野蛮人である。・・・」に
連鎖していると思えてならないのです。
つまり、
ゲマインシャフトと資本主義との関係が、
どこかで通底しているという
問題意識に構造性があると直感しています。
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11月 4th, 2009 Posted 9:51 AM
11月4日
いのちに向き合うデザイン
に懸命なBOSS(川崎和男)です。
人工心臓は3rdモデルの段階です。
人工心臓は、英語で
artificial heartです。
artではじまりartで終わる単語です。
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10月 11th, 2009 Posted 4:50 PM
10月11日
スケッチ三昧なBOSS(川崎和男)。
「手から発想する」
スタッフも、朝は仕事前
「葉っぱ」を2,3枚
デッサンしてからスタートです。
最近のBOSS愛用色鉛筆は、
STAEDTLER ergosoftお薦めだそうです。
常に鉛筆、特に色鉛筆は新製品を研究。
今、最高とか!
ボールペンは、モンブランの
作家シリーズカフカと、
以前も登場のグレタ ガルボ。
いづれもリフィールはBーTypeに限るとか!
スケッチの時も、
指輪の適度な重みも染みこんでいるから、
絶対にはずせないらしいです。
デザイナーの指を美しくもみせるようです。
ハンドクリームについては、多分女性より
メチャクチャ知識あって詳しいBOSSです。
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10月 2nd, 2009 Posted 11:42 PM
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