8月20日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design
8月 20th, 2010 Posted 10:00 AM
目次を見る
8月 20th, 2010 Posted 2:04 AM
8月20日
「Wallpaper」
世界的に有名な
インテリアを中心とした
デザイン関係の雑誌です。
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)
がスタッフのために、
各号の読むべきポイントに
チェックを入れてくれています。
8月 20th, 2010 Posted 12:30 AM
道具か器械か
大学時代に、その教授がデザイン学生を多分意識してもらったのだと思い出すのです。
一般教養「哲学」では、「機械とは何か」が常にテーマであり、
試験問題にもずばり「機械について記せ」だったのです。
美大ゆえに、ほとんどそうした座学は無視していたと思います。
ともかく「実技」に明け暮れ、デザイン技能の習得ばかりでした。
卒業して、その教授がきわめて有名教授でした。
それからその教授の本を書店で見つけては読んだものです。
さて、この一ヶ月、「自転車」に囚われてきました。
それも「ことば」の中に「自転車」を置いて、
未来の自転車を「ことば」にしようと考えてきました。
その表現をボードリアール風に、と望んできたようです。
そこで、自転車は機械?、ということではまったく成立はしないと思い込んできました。
直感的に、自転車は「器械」でした。
ところが、道具・器械・機械・機器というアイテムで分ければ、
私の中では、自転車はまったく「器械」なのです。
「器械」は《周礼》で定義されていたはずですが、
道具と機械の相異点では、道具は「人力」であり、
「原動機」を応用するモノが機械ということになれば、自転車は道具のはずですが、
やはり「器械」なのです。
あらためてこの直感の詳細を述べていく必要を感じている次第です。
Tags: デザイン技能の習得, ボードリアール風, 人力, 原動機, 周礼, 哲学, 器械, 実技, 機器, 機械, 機械とは何か, 道具
Posted in 044「車椅子と自転車」, 資本主義から逃走せよ!
8月 19th, 2010 Posted 12:00 AM
人間の自時速度
人間は100m走って10秒だと考えます。
これは一部の陸上競技のアスリート能力です。
したがってこのスピードだと、
人間は自時速36km/hの速度性までを持っていると考えることができるでしょう。
原動機付き自転車は制限スピード30km/hです。
走行中そのまま転倒すればこれだと相当の怪我をします。
実際は、そこまで人間の能力はありませんから自時速18km/h程度かと思います。
この時速だと、もし転んだとしても骨折することはないのではないかと考えます。
おそらく、人間の平均的な肉体的強度というのは12km/h程度が限度だとみることができます。
自転車の文明と文化
ところが人間は、自分が歩くより、走るより、
「速くにある=遠方へ速く出かける」ことを望んできました。
それは肉体が多少壊れても「速くにありたい」ということが、
乗物を発明、陸を、海を、さらには空を飛び、
その安全性と安心性を創出することが文明だったわけです。
地球上で人間が優れていることをともかく実証したかったのでしょう。
その根本的で基本的な文明モノ=人工物が「自転車」であったことは間違いありません。
この文明性は、人間の平衡感覚と速度性で、「スポーツ文化」を生み出しました。
英国のバッキンガム近郊にある教会に、
「自転車のようなモノ」にその発想があったと言われてました。
今では、それは地図作成用の測量のための測距車だったということです。
自転車の発明には諸説ありますが、
ドイツのKarl von Draisの二輪車・1813年説に落ち着いているということです。
車倚子との比較から
ところで、私には個人的な自転車への思いが重なっています。
それは28歳、交通被災により、「車椅子生活を余儀なくされたこと」です。
つまり、車椅子も自転車も同様に、自力で走る機能性のある乗物だということです。
私は、デザイナーゆえ、「自分用の車椅子を自分でデザイン」しています。
私のデザインした車倚子は、世界の主要な美術館に永久収蔵されたり、
国内外のデザイン賞を受賞しました。
「車倚子」は自転車から派生した乗物です。そこで自転車との同意性と差異性があります。
まず、「走行性能」は自力での操作性、
同時にブレーキ性能が付随しているのは、自転車との同意性です。
車倚子としての「身体保持性能」は、自転車との差異性があります。
さらに、車倚子の進化は、
●「自力と電池駆動のハイブリッド化」
●「電池のみの電動化」(日本では6km/hで米国は12km/h最高法定速度)
●「ロボティックス化」が見えはじめています。
これはまさしく「自転車の将来」と連鎖しています。
Tags: Karl von Drais, アスリート能力, スポーツ文化, ハイブリッド化電動化, ブレーキ性能, ロボティックス化, 二輪車・1813年説, 交通被災, 制限スピード30k/h, 原動付き自転車, 同意性, 国内外のデザイン賞, 差異性, 平衡感覚, 時速12k/hの速度性, 永久収蔵, 肉体的強度, 自力, 自時速36k/h, 自転車の将来, 走行性能, 身体保持性能, 車椅子生活, 速度性, 陸上競技, 電池駆動
Posted in 044「車椅子と自転車」, 資本主義から逃走せよ!
8月 18th, 2010 Posted 9:30 AM
8月19日 仏滅(辛丑)
一方で、
ことさら自分を「言葉」で
再認識しながら自己表現をすれば、
自分自身をさらに
傷つけることになるだろう。
その傷口をさらに
「言葉」で埋め尽くして、
血を止めようとしたところで、
自分を癒すことは、
自分の「言葉」の
中には見つからないものだ。
Tags: 川崎和男のデザイン金言, 言葉
Posted in APHORISM
8月 18th, 2010 Posted 12:00 AM
Bug News 回帰
回帰という言葉は、数学術語と言語学術語になっています。
が、私は単純に「思い出の確認」としておきます。
このところ、私が連載を始めたのは、デザイン関係誌ではなくて、
コンピューター誌でしたから、なつかしさもあって探していました。
ちょうどDTP=Desktop PublishingでPostScript という仕様公開された言語が出始めた頃です。
プリンター出力もレーザープリンターとなり、100万以上の高額なモノでした。
Apple社の最初のプリンターは140万円でしたが、米国では80万円だったと思います。
さて私が、連載させていただいたのは、『Bug News (河出書房)』でした。
この雑誌以後、特に、Mac関連雑誌が数誌競合することになっていきました。
競合での価値性
私の連載は1989年3月から8月の半年でした。
すでに、タイトルもうろ覚えで、なんとか私なりの「回帰」と思って、
バックナンバーをオークションで手に入れましたが、私の連載は見つかりませんでした。
ひょっとしてということで倉庫を探すと、その連載の切り抜きスクラップが出てきました。
タイトルは、「ALBATROSS arpegio」ー Cyber face Architectureでした。
若い頃の粋がっている意志や将来への自分の思いを、ギターテクニックのアルペジオになぞらえて、
キーボードを打ち込んでいくというまさに直喩的なタイトルです。
この雑誌の創刊号には、すでに3D映像の赤青の紙製メガネが付録になっていました。
25年前のことです。
著者たちを見渡してみると、
今も現役健在なコンピューター関連のオピニオンリーダーたちはそのままです。
そして、少なからず、当時の希望や予測はもう実現されています。
この雑誌のテーマに欠落しているのは、「エコロジー的環境と情報」関連です。
そして今ではまったく不要となった「日本語入力」の試み、
「日本語変換」についての提案論文や実験結果からの提言が目立っています。
市場競争で敗退していった当時の「新製品紹介」が毎号、夢の完成として取り上げられています。
その解説には、その製品が未来を変革していく予想論であふれています。
この「思い出回帰」で確認できることは、ただ二点です。
つまり、商業的な競合に勝ち残った「技術製品」というよりは、
「ユーザー支持」と「企業競合力」の商品性だけです。
ユーザー支持は「文化性価値」であり、企業競合力は「文明性価値」だと考えます。
Tags: ALBATROSS arpegio, Bug News, Cyber face Architecture, DTP, D映像, PostScript, アルペジオ, エコロジー的環境と情報, オピニオンリーダー, パブリックドメイン, ユーザー支持, レーザープリンター, 企業競合力, 商品性, 商業的な競合, 回帰, 技術製品, 数学術語, 文化性価値, 文明性価値, 新製品紹介, 日本語入力, 日本語変換, 言語学術語
Posted in 043「メディアインテグレーションでイノベーション」, 資本主義から逃走せよ!
8月 17th, 2010 Posted 9:30 AM
8月17日 友引(己亥)
これが講演をする大きな動機であり、
意欲の革新でもある。
Tags: デザイン, 川崎和男のデザイン金言, 講演, 造形化
Posted in APHORISM
8月 17th, 2010 Posted 12:00 AM
エーテル=虚空
古代西洋哲学には、土・水・空気・火に対して、
天体に充満している媒質概念・エーテル=aitherがありました。
私が最も不思議に思い続けていることは、
古代インド哲学・サンスクリット語でも、
大気や万物の存在空間を アーカーシャ=ākāśaと音声的にも近似した概念があったことです。
aither≒ākāśaはとても酷似していることです。
土・水・空気・火≒地・水・風・火、そして「虚空=ākāśa」です。
万物、世界要素の五大があり、これを五感(香・味・色・蝕・声)で受け止めて、
広大無辺、永遠、清浄などが私たち人間界と天界にあるという認識論です。
この認識論は、コペルニクス、ガリレー、ケプラー、ホイヘンスにとどまらず、
ニュートンの絶対空間論にまで及んでいました。
つまり、aither≒ākāśa=虚空概念だったわけです。
したがって、私たちが「空虚感」というのは、
認識すべき世界要素をまったく全廃している喪失感です。
私たちは、現代、ある種の「空虚感」に苛まされるとするなら、
「虚空」という概念が本来もたらしてくれる恩恵を失っているということです。
私は、あらためて虚空蔵菩薩という可視化されたシンボルを見詰めなおさざるをえません。
しかし、私の言説がオカルトや非科学性につながっているという誤解は受けたくありません。
ともかく、「空虚感」を与えないデザインをめざしたいだけです。
Tags: aither, ākāśa, アーカーシャ, エーテル, オカルト, ガリレー, ケプラー, コペルニクス, サンスクリット, ニュートン, ホイヘンス, 五大, 人間界, 古代インド哲学, 古代西洋哲学, 味, 土, 地, 声, 天体, 天界, 媒質概念, 広大無辺, 水, 永遠, 清浄, 火, 空気, 空虚感, 絶対空間論, 色, 虚空概念, 虚空蔵菩薩, 蝕, 非科学性, 風, 香
Posted in 043「メディアインテグレーションでイノベーション」, 資本主義から逃走せよ!
8月 16th, 2010 Posted 7:13 PM
8月16日
「Bug News」
1985年8月創刊のコンピュータ雑誌です。
今も情報系領域でご活躍の方々も
執筆されていました。
そして
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)
も連載を持っていました。
原本がないので収集中です。
創刊号の付録?は
ステレオグラスと称される3Dレンズ。