kazuo kawasaki's official blog

Archive for 11月, 2009


『資本主義からの逃走』
 *「志」ある者たらんとすべし*


   


     11月 9th, 2009  Posted 9:57 AM

「新渡戸国際塾シンポジウム」に参画しました。
国際文化会館で開催されました。
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最近はなんといっても、
この会館は、私の東京の仕事場です。
ここは恩師の推薦で会員になりました。
もうすっかり、会館の方々とは仲良しです。
シェフは、私の「好き嫌い」も見抜かれていて、
深夜にたどり着けば、夜食をいただいたり、
風邪っぽいと、特製の飲み物をいただいたりという
とても心地よい場になっています。

東京の中心でありながら、すばらしい緑に囲まれ、
美しい庭園をながめてひたすらスケッチできる場です。
デザインの会議やプレゼンテーション、研究会議まで
お世話になっています。
この会館の生い立ちは、ともかく国際交流や海外からの
学者・芸術家のホテルにもなっている場所です。

「新渡戸国際塾」に入塾するには高度なテーマで、
その論文審査があります。さらに面接です。
そしてバイリンガルでなければ塾生にはなれません。

今回は、その第一期生企画のシンポジウムで、
テーマは「日本の突破口を探る」という難解な課題に、
まずパネリストとして、15分間議論への私論を
プレゼンテーションしなければなりませんでした。

いつもの私流のために、親友である撮影監督の柏原氏に
人工心臓3rd-Modelを撮影してもらいました。
もうたまらなく美しい映像を
撮影そして編集してもらいました。

ともかく、私は、PKDとBOPへのデザイン実務への「志」を語りました。
塾生は、これからのリーダーになっていくことを、
自らも自覚し、周囲からも期待されている世代です。

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につきると思います。
撮影監督の柏原氏は、
大事件でのスクープ撮影では、伝説をなし、
世界遺産を撮り、今、最も美しいCFは彼です。
その彼と私には共通することがあります。

http://frameof28mm.blogspot.com/2009/10/blog-post.html
撮影監督の映像制作ブログ Frame of 28mm
「図書館の人々」を読んでください。

彼は、独立して、どれだけ芸能関連やワイドショーに
関われば、プロダクションとして自立できるかを
知りながらも、一切、関わらなかったプロです。
私もこの仕事をやれば、金になるのだが・・・
ということを拒絶してきました。
私は、幾たびも、デザインが実現しなければ、
デザイン料をクライアントに突き返してきました。
今も、その信条はくずしたくありません。
「志」が狂えば、「美」は遠のいていくのです。
自分の役割と責務を放棄するデザイナーなどは、
殴り倒したいとすら思っています。
そんな勝手な輩がデザイン界にいることは無念です。

「新渡戸国際塾」のみなさん、「志」です!
自分には、嫌いで、嘘っぽくて、損をしても、
「正しい」ということに、
命をかけられるか、でしょう。
人道と人情の話、民主主義の正しい解釈と有り様を、
国際的に発言し、実行しているパネリストの方々から、
新たな勇気とかつてからの「志」に目覚めました。

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11月8日Staff Blog


   


     11月 8th, 2009  Posted 4:39 PM

11月8日

パワーアンプ、アンプジラ。
インハウスデザイナーとして東芝で
音響機器のデザインに従事していた
BOSS(川崎和男)が心奪われた
アンプジラは新作になっていたとか。
それでも、やはり音は確実のパワー。

ロゴタイプやマーク、
ビスむき出しの製品づくりは、
一見BOSSの美意識とは
真逆だと思うのですが、
音づくりが最高!なのだそうです。
置いてある石も音のために選ばれた
インド産黒御影です。

名古屋では、
音のために金塊の上に
アンプを設置されている方もいると
インストーラさんから聞きました。

プリアンプは、
LINN KLIMAX KONTROLで、
この組み合わせは、僕だけだ!!と
聞いています。

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11月8日Staff Blog


   


     11月 8th, 2009  Posted 4:33 PM

11月8日

新渡戸国際塾
パネルディスカッションの前に、
個人プレゼがありました。
オープニングは、その時々に曲を選び
映像を流します。
今回は、この月曜日に
「世界遺産」の映像も撮られ、
数々のコマーシャル等
美しい映像作品は、この方!
撮影監督柏原氏にお願いした新作です。
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11月08日川崎和男のデザイン金言 Kazuo's APHORISM as Design


   


     11月 8th, 2009  Posted 12:00 PM

11月08日 赤口(丁巳)

深みのあるプレゼンテーションを
際立たせるスパイス、
それは何かに徹底的にこだわること。
その「こだわり」とともに
自分自身の「経験の質」が個性となって、
もうひとつの大事な、
プレゼンテーションのかくし味になるはずだ。

『プレゼンテーションの極意』10.こだわりがあるだろうか


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『資本主義からの逃走』
 「共時性、さらにゲマインシャフトからの民衆の美」


   


     11月 8th, 2009  Posted 8:10 AM

「100匹目の猿」現象を知っていますか。
私は、かなり真剣に信じていた時期があります。
しかしこれは、
ライアル・ワトソン のメタファー創作だったのです。
そして彼も、この釈明をしています。
それでも、私は「感覚的に」は、
ある種の「共時現象」という見方が可能かも知れない、
と今でも思っているのです。

理由は、簡単です。
デザインのためのアイディアは、
「共時性」がかなり起こりうることがあるものです。
特に、自分が発想していて実現が遅れた時など、
私は決して「真似などしていない」!
オリジナルだけど、先行したアイディアが出れば、
デザインを世に発表することはできません。

どうしてこのような話を持ち出したかというと、
ロシア・アバンギャルドの時代に、「共時的」に、
日本では、柳宗悦「民芸運動」
1926年から起こります。
ロシア・アバンギャルドと同時期です。

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これは、まったく共時現象だと思うのです。
民芸が、民衆をめざしての創造活動であり、
ロシア・アバンギャルドも、
民衆のために、ナロード・ニキだったのです。

私は、
柳宗理柳宗悦・長男)先生が恩師でしたので、
美大時代にその薫陶を受けています。

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「美は、
ゲマインシャフトによってのみ創出される」
というのが、
デザイナー志望時にインプリンティングされています。
したがって、
ゲゼルシャフトではなくて、
なぜ、ゲマインシャフトなのか、ということは、
実は、レヴィ=ストロース
「・・・完璧な仕事を完遂することが出来るのは、
田舎者と野蛮人である。・・・」に
連鎖していると思えてならないのです。
つまり、
ゲマインシャフトと資本主義との関係が、
どこかで通底しているという
問題意識に構造性があると直感しています。


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11月7日 Staff Blog


   


     11月 7th, 2009  Posted 7:38 PM

11月7日

新渡戸国際塾、個人のプレゼの後、
パネルディスカッションが
スタート!しました。

パネリストの
黒川 清先生
政策研究大学院大学教授

井上 英之先生
慶応義塾大学総合政策学部専任講師、
ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京代表

長 有紀枝先生
難民を助ける会理事長

とともに、
モデレーターとして
中央には新渡戸国際塾第一期生の
丁 寧さん
中西 玲人さん
です。

会場かなりヒートアップしています。

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11月07日川崎和男のデザイン金言 Kazuo's APHORISM as Design


   


     11月 7th, 2009  Posted 3:22 PM

11月07日 大安(丙辰)

人間は、
大きなリズム感によって
体内に満ちてくる熱エネルギーを
発散するために、
体を動かす。
自然と身体的な反応が生理的に起る。
この生理性を活用する。
それはひと味違った
プレゼンテーションになる。
「好、安、記」を支える音楽の
使用をぜひおすすめしたい。

『プレゼンテーションの極意』「好、安、記」のプレゼンテーション


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11月7日 Staff Blog


   


     11月 7th, 2009  Posted 2:15 PM

11月7日
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strong>新渡戸国際塾プレゼンテーション。


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11月7日 Staff Blog


   


     11月 7th, 2009  Posted 1:30 PM

11月7日

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新渡戸国際塾にて
BOSS(川崎和男)オープニングムービー。


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『資本主義からの逃走』
 「レヴィ=ストロースから、あらためて学びます」


   


     11月 6th, 2009  Posted 10:48 PM

クロード・レヴィ=ストロースが逝きました。
100歳でした。
正直、私にとって本論の背景には、
この偉大な思想家の思索を学ぼうとする
確かな意志と意欲があります。

代表作であった「野生の思考」、
巻頭にバルザックの「骨董屋」からの引用があります。
かつて、私が伝統工芸にデザインを導入するとき、
最も励まされた一節でした。

「・・・完璧な仕事を完遂することが出来るのは、
田舎者と野蛮人である。・・・」と。

マルクス主義への冷静な洞察の仕方を
最も的確に教示した人物だったのではないか、と、
私は思っています。

そして、
彼が指摘し、イメージで、感覚で納得していることは、
三つあります。

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● すべての社会構造は、
「女性を交換するために、
様々な集団がその規則を設けているのでは」という、
この仮説は、身震いするほど、誰も指摘しなかった
勇気ある発言だったのではないでしょうか。
ただし、これに続く論理は生まれていないと思います。

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● さらに、荒唐無稽な神話の体系の基盤には、
代数学の構造がまったくあてはまっているとも。
こうした数学的な発想は、
私が「デザイン数理学」の必要性をなんとしてもと、
導いてもらった気がしているのです。
数学の論理、その機能性を教育するには、
こうした発想が必要だと考えます。
すなわち、
この指摘は、オイラーの様々な定理や
ルネ・トムのカタストロフィー理論に通じている、
あまりにも「美しい論理構造」だと感じるのです。

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● 彼が現代を最も嫌悪したことは、
「グローバリゼーション」でした。
それは、世界構造が「多様性を喪失してしまう」
危険な傾向だという示唆でした。
あらためて、本論は、レヴィ=ストロースから
学び直したいと考えています。

彼の業績から学ばさせていただき、
刺激されたことに深く合掌します。


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