12月 17th, 2009 Posted 10:00 AM
デザイン界と建築界は、
歌を忘れたカナリヤだったと、つくづく思います。
● まず今年のデザイン界で、
「やられたなー!」と思う作品=製品は、
ほとんど、まったく見つけることができませんでした。
展覧会も、あいかわらずの「形式」で「ごっこ」です。
● 建築界は、世界コンペで勝つことができません。
コンペで勝てる建築家は限られてしまっています。
デザインは未だに「かたち造形」でしかありません。
「かっこいいかな的」なモノは「玩物志向」です。
だから、ケータイも、家電も、情報機器も、
アジアからはあまり警戒も、尊敬もされません。
●「歌を忘れた」というのは、
「実装設計と素材設計」にデザイナーの主導力無しです。
実装もこだわりました、なんて言うのですが、
みすぼらしくてとても評価できません。
建築は、コンペに勝てないから、
日本の建設業が関われない、ということになります。
設備設計も敗北し日本製品でその建築は装備できません。
結局、「都市計画」が「環境デザイン」という
とても救いがたい名称に変更したことが大失敗なんです。
かくいう私は、といわれそうですが、
今年は間に合いませんでした。
来春・来夏・来秋に、「成果」=「歌」が唱えるでしょう。
実装設計・素材設計・都市設計に来年は、
日本だから、やっぱり「出来てしまう」ことを
証明しないと、この不況からは脱出できません。
精進と修練の成果をめざしましょう!
Tags: アジア, ケータイ, デザイナー, デザイン, 世界コンペ, 作品, 実装設計, 家電, 展覧会, 建築, 建築家, 情報機器, 成果, 日本, 歌, 環境デザイン, 素材設計, 製品, 資本主義からの逃走, 都市設計
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10月 31st, 2009 Posted 12:00 AM
いつか、でも必ず、ヘリコプターをデザインしたい。
若いときに影響を受けた経営者は数少ない。
その一人の企業と仕事を始めた。
そして、その経営者が残した別荘に招かれた。
軽井沢で最大規模、これ以上の別荘は無いだろう。
その経営者の眼力で選ばれた現代アートが200点余り。
それだけでは無くて、
建築・インテリア・庭園・家具、すべてのセンス最高。
こんな経営者が日本に存在していた。驚愕だ!
彼の著作にとりつかれた時があった。
私は、その企業と取り組んでいる仕事に、
「最高のモノを!」と、強烈に望まれてしまったのだ!
公にされずに、密やかなれど、
「美」と「暮らし」はこうあるべきだと教えられた。
紅葉の広大な庭園には、現代アートの彫刻がある。
気づかないほど自然に溶け込んでいる。
これほどの完璧さにある「美」を見せられた以上、
私のデザインへのプレッシャーはとめどなく大きい。
雑誌やTV番組に登場する別荘などは及びもつかない。
そして、大好きなヘリコプター、
それもユーロコプターで、快晴の中を飛んで、
東京に入った。
ユーロコプターは、今、最も美しいヘリコプターだ。
しかし、私なら・・・・
「本物」とは、「二重否定」で決定されることだ。
「偽物」では「無い」。
「偽物」=一次否定・「無い」=二次否定、
ゆえに、「二重否定」=「本物」。
私は、このブログで、「本物になりたい私」を
さらけ出している。
卑怯者で偽者が本当に多くなってきたから、
やはり、「行学としてのデザイン」で、
このブログでの考察を続けたい。
Tags: 「資本主義からの逃走」, ヘリコプター, ユーロコプター, 一次否定, 二次否定, 二重否定, 偽物, 偽者, 卑怯者, 暮らし, 本物, 本物になりたい私, 現代アート, 経営者, 美, 行学としてのデザイン, 軽井沢
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10月 21st, 2009 Posted 9:57 PM
明日帰国します。
IASDR2009でのキーノートスピーチを、
ぴったし1時間の英語プレゼ、
時間を気にして、
相当に早口になったりでしたが終えました。
まず、なんといっても久々の韓国でしたが、
日本より、ともかく勢いがありました。
そして、
「世界デザイン首都宣言ソウル」を標榜されているだけに、
このコンファレンスの企画から運営を、
果たして現在の日本、
そのデザイン学系学界にできるかと言われれば、
そのエネルギー不足を肌身で感じてしまいました。
だから私の役目として、
ともかく人工心臓がデザイン対象であるとか、
BOP=Bottom of the Pyramidによる、
70億人のデザインのあり方や、
私の提唱するPKD=Peace-Keeping Desigの
教育プログラムの論理的骨子を
2画面と音楽、ムービーでプレゼンテーションしました。
世界40数カ国からデザイン系大学の参加者があり、
相当に名刺交換をしました。
思いがけない出会いで驚いたりでした。
親友だったNASAのデザイナー、
故マイケル・カリルのスタッフが、
東大で学位を取得後、母校で教授になっていました。
私は、「ユニバーサルデザイン」を提唱したのは、
マイケル・カリルだと確信しています。
ともかくひたすら、
「資本主義」は
BOPのトップゾーン100億人の基盤でしかなかったことを
最も強調できたと思います。
私を世界にアピールするには、
「サラ・ペイリン副大統領候補のメガネ」であり、
韓国ゆえに、「ヨン様もかけているメガネ」で、
会場を和ますことが出来たようです。
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10月 20th, 2009 Posted 9:55 AM
今、このブログをソウルにて書いています。
国際デザインリサーチ学会にて、
キーノートスピーチをします。
タイトルは、
「先端的インクルーシブデザインによるBOP」です。
アブストラクトでは、
すでに、「資本主義は終焉した」ということから
BOP=Bottom of the Pyramidへの
デザインを語ります。
そして、韓国に入ってから、
プレゼンテーションの画面づくりに入っています。
私は、講演や講義の前夜に
準備画面を作成するのが習慣になってしまいました。
私は、常に2画面を使います。
それも必ず、16:9サイズにします。
ところが残念なことに、
世界中が未だに4:3のスクリーンなので困ります。
それでも「わがまま」を講演の場合には、
16:9画面それも2画面のスクリーンを
用意していただくことを条件にしています。
メイン画面は私自身が作成しますが、
サブ画面はスタッフが
メインの画面にシンクロさせて作成します。
最大は、正面に2画面で左右や天井などで6画面、
しかも、PinP機材や音響システムも持ち込みます。
私のwebsiteで、講演スタイルをご確認してください。
この韓国での国際学会も
16:9で2画面と音響システムを駆使するつもりです。
音楽は、ここ当分は、
マイケルジャクソンの曲を使用するので、
JASRACに許諾許可は申請してありますが、
「学会使用の場合」は著作権は除外対象です。
帰国したらまたいくつかの講演が待っています。
私は、デザイナーの表現形式に、
「講演」という形式があり、
その「内容の形式」もデザインすべきだと考えています。
さらに、「講演のデザイン」として、
ムービーや、音響、画面サイズ、PinPなどで
そのデザインを創出すべきだと言い続けています。
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8月 21st, 2009 Posted 10:42 AM
「米国ツアー・その2]
米国ツアーの報告はこのブログで、と考えていたのですが、
帰国後もスケジュールがいっぱいでした。
特に、大学での講義や、学位指導。
大阪大学大学院からようやく工学博士を一人輩出。
さらには、デザイン界での役割を努めました。
これは「グッドデザイン賞審議委員会」にて、検討委員会を新設しました。
>グッドデザイン賞審議委員会、「あり方についての検討委員会」を発足
これは、いつか、なぜ、新設しなければならなかったのかを
記述しておく必要があると考えています。
デザインコンペなどの審査が連続していました。
こうしたことの連続の日々でした。
やっと、本当に久しぶりにこのブログに向かい合う時間がとれました。
米国ツアーでの様々な経験の中で、
私が常に意識していたのは、三つありました。
まず、最初に、「デザイン」はいまだに、
「芸術家きどりの話」にすぎないという印象があったことでした。
私自身、美術大学出身ですが、油絵なんぞは描いたことすらありません。
彫刻は彫塑といって、工業デザインの基礎造形として学んだ程度です。
それでも、西洋美術史と日本美術史はメチャクチャ大好きです。
ただし、これは大学を卒業してからのことで、
大学時代には、本当にすごい教授たちに教えられていたのに
気がつかないという有様でした。
私は、「デザイン」はすでに、科学であり、技術であり、
さらに芸術の進化形だと信じていることです。
すなわち、「デザインこそ学際性が実務となっている」、のです。
さらに「デザイナー」というプロフェッショナル性への
大誤解がまだまだ蔓延しています。
これは常に私が主張している
「デコレーション」=「デザイン」と思われていることです。
確かに、デザインにはデコレーション的な要素の表現性が必要な場合もあります。
が、決して必要条件でも十分条件でもありません。
「デザイン実務」は、デザイナーと自称する人の本当の能力評価ができます。
だから、「デザイン実務」には、
むしろ、「簡潔性」・「清潔性」・「倫理性」は必要十分条件です。
たとえば、今やNHKですら、「かわいい」という言葉、
ひょっとすれば、コンセプトともおぼしき言葉を流行現象として、
すでに「世界語」だと放送しています。
もっと、日本語として重要な文化的な言葉、その深度を放送してほしいと思います。
ところで、明らかにこの「かわいい」ということば、
その周囲には「デコレーション」が取り囲んでいます。
しかし、この「カワイイ」は、フランスのファッション現場では、見事に拒絶されています。
「カワイイ」を世界語として、経済社会へ進出の手がかりにしようというのは
とても、浅はかで、日本本来の伝統文化への反逆だとさえ私は指摘しておきます。
私は、米国ツアーでNew Yorkに滞在しましたが、
まったく講演準備に追いまくられていて、出かけたのはApple Storeでした。
ここで、幼児と思われる子供たちほとんどが熱中していたのは、
『WALL-E』でした。
すでにブームも過ぎ去っているとは思うのですが、子供たちの熱中ぶりに感心しました。
結局、私が買い求めたゲームソフトは、『WALL-E』でした。
そして、帰国後、
今や私の傍らにはこの『WALL-E』の最も低価格の玩具が、声を上げて踊っています。
ロボット玩具=今、ロボットと称しているモノ、
そのほとんどが「玩具」以上のモノではありません。
さらに、ワシントンの米国日本大使館のみなさんから、
帰国間際にプレゼントされたのは、「クレヨンしんちゃん・グッズ」でした。
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6月 29th, 2009 Posted 11:59 AM
「米国ツアー・その1]
私は、この6月に2週間、
公務にて米国の三つの都市で講義と講演をしてきました。
在米シカゴ総領事館の企画でした。
それは本当にデザイナーとして嬉しい企画でした。
シカゴ、ニューヨーク、そしてワシントンにて、
「JAPANISE DESIGNS・DESIGNS made in Japan」というタイトルで、
その哲学とデザイン実例を紹介することができました。
この米国ツアーでさらに私には、
「資本主義の終焉」を本当に確認する毎日になりました。
まず、在米総領事館・米国大使館・国際交流基金が、
「デザイン」を日本の産業と文化を看板にして
「日本を知らしめよう」という想いを実現していただいたことです。
実は、もう20数年間、とても悔しい思いがありました。
それは、海外のデザイナーたちが、来日してくると、
彼らは在日の大使館領事館の参事官クラスが必ずアテンドしているのです。
そして、彼らを日本の大企業に強力な売り込みをします。
親友のデザイナーだったりすると、
食事をする約束も、参事官は無効にされたことがありました。
また、とんでもないデザイン対価で、
とんでもなく評価できないデザインを押し売りしたデザイナーもよく知っていますし、
私のアイディアをアレンジというか盗作したデザイナーもいました。
しかし、日本では決して、
デザイナーが外務省との関係は無かったのではないかと思います。
そういう意味では、
今回、シカゴ領事館の総領事・久枝氏には限りない感謝があります。
確かに私は昨年の大統領選挙で、
副大統領候補だったアラスカ州知事・サラペイリンのメガネが
私のデザインだったことから、世界的な話題になりました。
ところが、久枝氏は、サラペイリンのメガネは、ひとつのきっかけになるだろうけれども、
それだけではなく、私の活動や著作から、
「貿易立国であるための必須条件であるデザイン・デザイナーの存在」を、
「日本のイメージ戦略」にしようと発案していただいたことです。
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